日清食品冷凍「日清本麺」発売10カ月で500万食、「長く愛されるブランド目指す」
日清食品冷凍が2021年9月に投入した「日清本麺」シリーズ。発売から10カ月で500万食を売り上げるなど、当初の計画を上回る推移を見せているという。
9月には新CMを放映し、今後も新たな販売施策などで更なる拡販を目指す。商品コンセプトは、「日清が本気で創った、うまい麺」。開発では「麺」に最も力を注いだという。ゆで時間や配合に加えて、麺の長さ、細さ、水分量、厚みなど細部での調整を行い、構想から6年を経て発売に至った。すするときに麺の香りが立ち、ゆでたてのような歯切れの良い食感を実現した。スープも麺の風味を活かせるよう調整したという。
冷凍ラーメン市場で人気のメニューは、担々麺や汁なし麺、ちゃんぽんなどだ。約20年前からこの傾向は大きく変わらない。一方で、ラーメンでは一般的なしょうゆラーメンや味噌ラーメンは、冷凍ラーメンではそれほど大きな支持を集めていなかった。そこで、麺と長年向き合ってきた企業として、一般的なラーメンとして間口の広いしょうゆなどに本気で取り組んだ。現在は「こくうま醤油ラーメン」「濃厚味噌ラーメン」「ゆず塩ラーメン」の3種を展開している。
購入者からの評判について、マーケティング部第1グループプロダクトマネージャーの三島健悟氏は「SNSやお客様相談室に、『まるで店のラーメンのようだ』といった驚きの声を多数いただいた。麺の美味しさで沸かせたいという思いで開発に着手していたため、嬉しく感じている」と話す。
2022年3月と9月には「日清本麺」のCMを放映したところ、「今まで冷凍ラーメンを知らなかった方を中心に反響があった。また、休眠ユーザーの方のリピートのきっかけとしても大きな効果を得ることができ、当初の計画を上回る反響があった」(三島氏)ようだ。
今後は、更なる新規購入者の獲得に向けて取り組みを強めるという。発売1周年を記念して10月中旬に「日清本麺」3品で「ワンタン」を1個サービスした数量限定「ワンタン付き企画品」を販売する。「今まで購入したことのない方や、休眠ユーザーの方に購入していただきたいと考えている」(三島氏)という。
また、年末年始の冷凍ラーメンの最盛期にかけて、店頭での企画や販売促進などにも注力する予定で、新規購入者の獲得に向けてアプローチを強める。
三島氏は「末永く愛してもらえるよう、今後も品質を高めたい」と力を込めた。
〈冷食日報2022年10月4日付〉