ぐるなび総研 2022年「今年の一皿」は“冷凍グルメ”、急速冷凍機の普及を背景に拡大 販売方法も多様に

ぐるなび総研 2022年「今年の一皿」“冷凍グルメ”
ぐるなび総研 2022年「今年の一皿」“冷凍グルメ”

ぐるなび総研は12月6日、2022年の「今年の一皿」を発表した。

9回目となる今回は「冷凍グルメ」が選ばれた。コロナ禍で飲食店への急速冷凍機の導入が加速し、レストランのメニューをそのまま再現した冷凍グルメが、購入方法の多様化などを背景に消費者から支持を得たことなどで評価された。同日行われた授賞式に登壇した、日本冷凍食品協会の三浦佳子広報部長は「全てのグルメのために冷凍技術はある。さまざまな紹介を進めたい」とコメントした。

今回の選定理由は、コロナ禍で飲食店への急速冷凍機の導入が加速し、レストランのメニューをそのまま再現した冷凍グルメの開発が飲食店で進み、店頭や自動販売機など購入方法も多様化し消費者から支持を得た点だ。加えて、「保存性やフードロス削減の観点でも社会変化に対する柔軟性が高く、今後の日本の食文化においてより一層不可欠な存在になると考えられる」という。

12月6日に行われた授賞式には、日本冷凍食品協会の三浦氏と、Restaurant Solaのオーナーシェフ、吉竹広樹氏が登壇した。三浦氏は「技術発展だけでなく、コールドチェーンの発展もあって、旬の料理や好きな食べ物を好きな時に食べられるのが冷凍の良さだ」とアピールした。

ぐるなび総研 2022年「今年の一皿」授賞式
ぐるなび総研 2022年「今年の一皿」授賞式

吉竹氏は「料理人にとって冷凍はネガティブなイメージだったが、機械などを調べると技術の進歩に驚かされた。凍結機を導入して約2年経ち、店で食べるような驚きがあるよう試行錯誤をしており、店と変わらないクオリティで提供できているのでは」と話す。また、「冷凍でも良い料理を楽しめるという風に、先入観を変えていきたい」と力を込めた。

なお、特別賞は「乳酸菌飲料」、ノミネートは「ガチ中華」と「プラントベースフード」がそれぞれ選ばれた。

「今年の一皿」は、2014年に開始し、今回で9回目。過去には「テイクアウトグルメ」や「タピオカ」、「鶏むね肉料理」などが選ばれた。選定は、飲食店情報サイト「ぐるなび」の総掲載店舗の約50万店、総有料加盟店舗4万6,222店(22年9月時点)が発信する一次情報と、2,304万人(22年10月時点)のぐるなび会員らの閲覧履歴や行動履歴などを掛け合わせて分析したビッグデータから、検索数などの条件を満たした40ワードを抽出する。

その後、ぐるなび会員へのアンケートや、メディア関係者による審査の得票数を加味して、4つに絞り込んだノミネートワードから、

〈1〉その年に流行または話題になったこと
〈2〉その年の社会の動きと関係が深く世相を反映していること
〈3〉食文化の記録として後世に受け継ぐ価値があること
――の3つの条件を満たしたワードから実行委員会で最終決定を行っている。

〈冷食日報2022年12月7日付〉

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近年の冷凍食品をめぐる情勢は、共働き世帯の増加や家族構成の変化、また飲食店や量販店の惣菜売場の多様化によって需要が増加しています。一方で、家庭用冷凍食品の大幅値引セールの常態化はもとより、原料の安定的調達や商品の安全管理、環境問題への対応など課題は少なくありません。冷食日報ではこうした業界をめぐるメーカー、卸、そして量販店、外食・中食といった冷凍食品ユーザーの毎日の動きを分かりやすくお伝えします。

創刊:
昭和47年(1972年)5月
発行:
昭和47年(1972年)5月
体裁:
A4判 7~11ページ
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