テーブルマーク「ごっつ旨いお好み焼」改良で“ごつ旨史上最高のうまさ”追及、冷凍うどん「夏のつるんうどん」展開も/2023年春の新商品
テーブルマークは1月31日に、同社食品開発センター(東京都大田区)で2023年春の新商品発表会を、ケイエス冷凍食品と合同で開いた。テーブルマークは家庭用の「ごっつ旨いお好み焼」シリーズ全5品の改良が目玉となる。「ごつ旨史上最高のうまさを追求」した。
2023年春季は家庭用冷食では新商品11品、リニューアル品22品をそろえた。中尾恒政執行役員戦略副本部長が商品開発の方向性について説明した。家庭用・業務用共通のテーマは「お客様の期待を上回る商品を通じてQOLの向上を目指します」。新しい食生活や食品ロス削減、時間の有効活用、満足度の高い食生活――に沿った商品を提供していきたいとした。
部門別に家庭用冷食では「個食化、多様化する生活者に向けた価値提供」を掲げた。喫食満足度を高め、豊かな食卓を提供すること、嗜好性の広がりに向けたラインアップ強化、未充足ニーズ・喫食オケージョンの拡充を図る――としている。
冷凍お好み焼売上げNo.1の「ごっつ旨いお好み焼」シリーズは職人の技に学び、手作りの再現にこだわった製造工程が特徴だが、今回、生地中の卵を増量しフワフワの食感を向上させた。「いか・えび」と「ぶた玉」は1枚あたり卵を約1個分(50g)配合した。厚みも3mm~5mmアップしている。
また「いか・えび」はイカとエビを増量、「ぶた玉」はポークエキスと香味油を追加、「豚モダン」は中華麺に卵を絡めて食べやすさと卵感をアップ、「ねぎ焼」はネギのカットサイズを大きくして食感と風味をアップ、「明太もち」は明太子と明太子エキスを増量――といった改良を施して満足度を高めた。
ごっつ旨いお好み焼シリーズは2022年に2018年比15%増(インテージSRI)と売り上げを伸ばしている。ただし冷凍お好み焼市場全体も伸びているが、単価上昇の影響が主因で、購入率や購入者あたり購入数量は伸び悩んでいる実態があるという。
栗山佳子マーケティング戦略部長は「冷凍お好み焼の売上げNo.1メーカーとして、お好み焼という食べ物で第1に想起されるのが冷凍お好み焼になるという状況を作りたい。既存のお客様を飽きさせない取り組みと、新規のお客様を獲得する施策を同時に進めていきたい」と述べた。
夏の冷凍うどんの需要喚起に「夏のつるんうどん(極細)3食」を新発売する。夏場のそうめんに代わる冷凍麺の提案として、食べやすさを追求した。テーブルマークで最も細い#16番手の切り刃(幅30mmのめん帯から何本の麺を切り出すかの数値、稲庭風は#14)を使用し、うどんのコシの強さではなくあえて歯切れのよい食感に仕上げた。
家庭用の冷凍うどんは夏場の需要喚起を課題としてきたが、過去5年間で徐々に夏場の需要は底上げされている。栗山部長は「様々な要因があるが、冷凍うどんをレンジでおいしく食べられるという、需要喚起と調理方法の普及活動も一つの要因と考えている。また昨年は常温売場に、冷凍麺を使って食べるつゆやソースなど関連商品が増加したことも後押しとなり、メニューの広がりが間口拡大につながったと見ている」としている。
夏に麺類を食べる理由は「食べやすさ」から。ただ、ゆでなければならないことが不満としてある。この両者を充足する商品で、乾麺のそうめん・ひやむぎからの転換を狙う。
春夏に需要が高まる汁なし具付き麺には「お皿がいらない」シリーズに「油そば」と「えびクリームうどん」の2品を追加。全8品で売場での面展開を図る。
インテージSRIによれば、テーブルマークのトレー付き汁なし麺は2022年に2018年比55%増と伸長している。2022年秋発売した「にんにく醤油まぜそば」は男性の購入層の取り込みに成果が見られたことから、油そばでさらなる男性層の取り込みを図る。
〈冷食日報2023年2月2日付〉