「楽天市場」コロナ禍以降の冷食伸長、催事出店などで認知拡大

楽天市場 スイーツ展
楽天市場 スイーツ展

冷凍食品はスーパーやコンビニだけでなく、EC(通信販売)でも広がっている。コロナ禍以降、EC自体の利用頻度が増え、冷凍食品の販売も大きく伸びたという。「楽天市場」でも惣菜ジャンルの中で上位に入った商品の多くが冷凍食品だったようだ。広報担当に動向や今後などを聞いた。

――冷凍食品市場についてどう感じるか。

コロナ禍以降に加速度的に需要が高まっている。緊急事態宣言などで外出を控えざるをえなかった時期もあり、生活基盤がネットに置かれるというのが当たり前になっている。その中で、冷凍商品をネットで買うという動きは定着しつつある。2022年の販売はコロナ以前と比べて約2倍となった。

例えば、惣菜のジャンルで見ると、人気の商品は、ほぼ冷凍食品。ストックしておける吉野家の牛丼の具や、機内食の弁当はかなり売上が良かった。旅行に行けないという状況と、航空会社で冷凍弁当を販売したいというニーズが合致していた。こうした商品は、コロナになった人に贈る商品としても人気だった。在宅ワークなどで家にいる時間が増えたことも需要を伸ばした要因となっている。

また、百貨店に行きにくい、バレンタインなどの催事の際は店舗に行くことが面倒、という人も増えたため、こうした商品はコロナ以前よりも伸びている。

――「楽天市場」の強みは。

さまざまなレビューなどを参考に、楽天ユーザーに刺さる商品をそろえている。取扱商品の広さは強みだ。企業タイアップも増えていて、2年前にはファミリーマートで販売している「ファミチキ」を家で作れるセットを発売し、話題を集めた。モスバーガーの50周年セットとして「モスチキン」と「モスライスバーガー」を作れるセットも発売し、SNS などで拡散していただけた。

また、最近では冷凍食品メーカーのWEB上の公式店舗が増えており、以前よりも取り組みを強化している企業が増えた印象だ。

――プレミアムフードセレクトという取り組みも行っている。動向は。

冷凍ラーメンの販売などに取り組んでいる。国民食でもあるラーメンはEC化率が低いのが課題だ。店舗に行かなくても、同じ味を食べられたら喜んでもらえるのではとスタートした。2022年10月に行われたラーメンフェスタと施策を展開し、ラーメン店の方々の協力もあり、イベント参加店の商品などを展開でき好評だった。イベントに参加していない店舗の商品もそろえており、現在は50~60店舗の商品をそろえている。

他にも、出店している店舗の商品を組み合わせた福袋も販売している。店舗の食べ歩きのように楽しんでもらえる商品だ。さまざまな商品を扱っているので迷われる方は多いので、それを試すことができる商品としても好評いただけている。また、このセットで初めて食べた店舗の商品を、改めて購入利用される方もいた。

――今後の取り組みは。

2022年はラーメンに力を入れていたので、他のジャンルにも挑戦できればと考えている。例えば、カレーならば冷凍での販売はまだ少ない。そうした分野にも取り組めればと思う。

他にもタッチポイントとして催事などへの出店も続ける。バレンタイン時期にポップアップストアをオープンした。店舗では試食を行えるが在庫は置かず、購入はネットでできるようして、送客を図ったこともある。こうした取り組みは継続したい。

〈冷食日報2023年3月31日付〉

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近年の冷凍食品をめぐる情勢は、共働き世帯の増加や家族構成の変化、また飲食店や量販店の惣菜売場の多様化によって需要が増加しています。一方で、家庭用冷凍食品の大幅値引セールの常態化はもとより、原料の安定的調達や商品の安全管理、環境問題への対応など課題は少なくありません。冷食日報ではこうした業界をめぐるメーカー、卸、そして量販店、外食・中食といった冷凍食品ユーザーの毎日の動きを分かりやすくお伝えします。

創刊:
昭和47年(1972年)5月
発行:
昭和47年(1972年)5月
体裁:
A4判 7~11ページ
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