ニッスイ、2023年秋冬の業務用食品に「備長炭火焼き鳥」など、外食・観光市場回復と惣菜市場の堅調継続を見通した商品を投入、新商品21品・リニューアル品10品
ニッスイは、2023年秋・冬新商品のうち業務用食品で、新商品21品・リニューアル品10品の計31品を発売する。
発売日は商品によって異なる。7月19日に東京・白金の八芳園で新商品発表会を開催し、金澤建支業務用食品部長が業務用食品の開発背景などについて説明した。
今回はコロナ禍の緩和による人流や観光業の回復と、惣菜売場の堅調推移という市場背景を受けて、新商品テーマとして〈1〉堅調な惣菜市場と行楽向け商品の拡大〈2〉外食・人流の回復に対し定番商品導入〈3〉人手不足対策商品――の3つを掲げて商品を投入する。
金澤部長によれば、国土交通省の国内旅行消費額統計では2023年1~3月の消費額は前年比80.2%増と大幅に回復し、コロナ前の2019年比でも0.5%増と上回っているという。さらに国際線運行回復による訪日客の増加も見込まれ、外食産業・宿泊施設および行楽地の活性化が期待される。また、惣菜市場も堅調が続いている。一般食品の価格上昇、家庭での光熱費増加や食用油の高騰などが背景にあると考えられ、イベント再開によるオードブル需要の回復もあり今後も堅調が続くと予想されるという。
『テーマ〈1〉』惣菜・行楽向け商品では、焼き鳥商品をリニューアルするとともに、たこ焼きのリニューアル・拡充を行う。
リニューアル品「R備長炭火焼き鳥 もも/ねぎま/皮/レバー/つくね棒」(各50本)は、コロナ禍の中で惣菜売場のバラ販売がなくなったことで不調だった焼き鳥市場が行楽需要で回復する可能性が高く、外食業態での伸長も期待できることから投入する。
5品すべて1本32gから35gへ変更するとともに、もも・ねぎまは肉のカットサイズを大きくして、底面が平らにならないように工夫、立体感のある見た目に変更した。専門店の味付け工程同様の振り塩工程と、備長炭で焼き上げることによる焼き目と風味を付与した。また、配合見直しにより、肉の食感も食べごたえがあるようにしている。 調理方法はコンベクションオーブン、生産工場は中国協力工場。
たこ焼きでは、1個30gと大粒の「とろーり大粒たこ焼き30」(30個900g)をリニューアル発売。たこ焼きも人流の回復による需要回復が見込まれる中、食用油高騰に対応し、揚げ調理ではなくコンベクションオーブンで焼いて美味しいたこ焼きに刷新した。従来よりもさらにとろっとした食感になるよう生地の配合を見直すとともに、枕崎製造かつお節のだしと、北海道産昆布だしを使用している。
調理方法は推奨するコンベクションオーブンの他、油で揚げる・電子レンジも可能。生産工場は金子食品。
ほか、たこ焼きでは新商品として海外(ベトナム協力工場)生産の「手焼き とろっと食感のたこ焼き30/20」もラインナップに加える。
『テーマ〈2〉』外食向け商品の拡充では、「MSCクラムチャウダー」を発売。湯煎するだけで本格的な味わいのスープが提供できる簡便調理商品。原料には、MSC認証(海のエコラベル:水産資源や生態系に配慮した漁業による水産物)を取得している中国・遼寧省のアサリを使用し、ほかににんじん・たまねぎの具材入り。北海道産牛乳、生のおろしにんにくを使用し、本格的でまろやかな味わいに仕上げた。
他、外食向けでは唐揚げを拡充し新商品として「鶏唐揚げ」「薄衣仕立ての鶏もも唐揚げ」「鶏ひざ軟骨唐揚げ」「サクッといかの軟骨唐揚げ」や、国内生産(青森県協力工場)で本格的な味わいの「麻婆豆腐」「麻婆ソース(HK)」といった商品を発売する。
『テーマ〈3〉』人手不足対策商品では、慢性化した人手不足に対応する簡便調理商品として、衣を付けて手揚げでプリフライした「簡単!えび天ぷら25」「簡単!いか天ぷら30」「簡単!かぼちゃ天ぷら25」「簡単!なす天ぷら15」「簡単!れんこん天ぷら20」や、巻物素材として使いやすい「かに風味かまぼこスティック25」といった商品、農産品の「CNきざみ白ねぎ」「CNカット白ねぎ」「CNカット青ねぎ」などの新商品を発売するほか、フローズンチルドのグラタン・ドリア商品「クチーナ・カルダ」を秋冬の需要期に向けリニューアルする。
〈冷食日報2023年7月24日付〉