イートアンド、2024年2月期第2四半期累計の冷凍餃子売上高は前期比17.3%増、販売拡大に伴い関東第三工場でライン増設
イートアンドホールディングス(HD)の2024年2月期第2四半期連結業績は、売上高が前年同期比10.3%増177億6,400万円、営業利益10.4%増6億2,200万円と増収営業増益となった。
経常利益は9.0%減6億3,400万円と減益だが、前期に営業外収益として新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金の収入1億2300万円を計上した裏年に当たるためで、本業は堅調に推移した。
10月17日、東京都品川区の東京ヘッドオフィスで決算説明会を開き、仲田浩康社長らが業績等について説明した。
セグメント別では、食品事業は売上高10.9%増107億3,300万円、営業利益1. 3%増7億1,300万円、外食事業は売上高9.4%増70億3,000万円、営業利益209.6%増1億5,600万円となり、利益面では食品事業の増益幅が小幅だった。
仲田社長は「原料はじめ各種コスト増が影響し、売上高の伸びからすると食品事業の利益率が上がらなかった。10月1日から一部商品で値上げを実施しており、収益は回復する見込み」など話した。
食品事業では、シェアの向上と市場の拡大から冷凍餃子計(焼餃子+水餃子)の売上高は第2四半期累計で前期比17.3%増、うち焼餃子は20.1%増と大きく伸長、第2四半期のみでは冷凍餃子計が20.5%増、焼餃子が22.7%増とさらに伸び率が高く、シェアも向上した。仲田社長は「競合他社との値上げ時期のずれが押し上げたもので、我々の力だけではなく環境の影響も大きい」と冷静だった。一方で10月から値上げを実施していることもあり、下期は「数量ベースで5%増なら合格」と保守的に見積もった。
商品面では、同社冷食の売れ筋は〈1〉羽根つき餃子〈2〉スタミナ肉餃子〈3〉ぷるもち水餃子、の順だが、大容量の大袋商品が好調で、売れ筋の4位に上昇したという。大袋専用の製造ラインも設置し、供給能力も向上させた。
売れ筋2位のスタミナ肉餃子は、発売以降右肩上がりで、コロナ禍のマスク生活を意識して発売したがコロナ以降も好調、冷凍餃子売上拡大をけん引したという。
また、レンジ調理でプロのような焼き目を実現した「焼き目つき冷凍餃子」を開発。2023年7月より、セブン&アイグループのセブンイレブン、イトーヨーカ堂、ヨーク、ヨークベニマルで販売を開始した。セブンイレブンでは当初4,000店舗での販売だったが、段階を追って取扱店舗を拡大中で11月には1万8,000店舗での販売となるという。
一方で、2023年1月に関東第三工場(群馬県板倉町)で新ラインが稼働したばかりだが、冷凍餃子の販売拡大に伴い既に生産能力がひっ迫してきたという。そのため2024年3月をめどに関東第三工場で2ライン目となる餃子ラインを増設。生産能力の拡大を図る。関東第三工場は最大5ラインまで増設が可能だという。
なお、第2四半期累計の工場生産量は前年比13.2%増の1万9,406トン、通期の生産量見込みは13.9%増の約4万トンを計画する。一方、仲田社長は「生産が関東に偏っているのがリスクであり、西日本にも現在の関西工場とは別に生産拠点の設置を想定している」とした。
また、生産拠点とは別に「2024年問題」を見据え、関東工場に隣接して自社運営の物流拠点「関東ロジスティクスベース(KLB)」を建設しており、2024年7月の稼働を予定する。自前拠点により2024年問題に伴う物流コスト増をコントロールするとともに、生産拠点に隣接した物流拠点を持つことで、計画生産を進め、工場での廃棄ロスや機会ロスの削減にも繋げるという。
〈冷食日報2023年10月24日付〉