蒸発を防ぎジューシーさを保つ「もちいなり」/京都庵【食品産業技術功労賞】
京都庵は、業務用のいなり寿司用味付き油あげを中心に大豆加工品の製造販売をしてきた。2022年春から本格的に家庭用冷凍食品市場に参入し、独自の技術で冷凍しても硬くなりにくい油揚げを開発した。
その独自技術を生かして同商品専用の油揚げを使用したスナック商品だ。一般的に食べられているドライ商品の「もちいなり」は、自宅で味付きの油揚げに調理した餅を入れる工程が必要となる。一方で「もちいなり」は、すでに甘辛いしょうゆダレを染み込ませた油揚げの中に、やわらかな餅が入った状態でセットされており、手軽にレンジアップのみで仕上げられる。
2022年年8月に販売を開始した「もちいなり」は、すでに多くの食品スーパーや量販店、生協などに配荷されており、発売1年で売上8000万円を突破した。バラエティ商品として「抹茶もちいなり」のほか、2023年9月末に新商品「チョコもちいなり」を発売した。バイヤーからの評判も良く、順調に採用が進んでいる。
この「もちいなり」は、第53回 食品産業技術功労賞「商品・技術部門」を受賞した。
なお「食品産業技術功労賞」は、食品産業新聞社が1971年から実施する顕彰事業。食品産業の発展に著しく貢献した企業、または個人、団体を顕彰するもの。部門は、「商品・技術部門」「資材・機器・システム部門」「マーケティング部門」「サステナビリティ部門」「国際部門」「地域創生部門」の6つがある(2023年時点)。
「第53回 食品産業技術功労賞審査」の選考委員(敬称略)は、一般財団法人食品産業センター理事長 荒川隆、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門所長 髙橋清也、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事国立健康・栄養研究所所長 瀧本秀美、独立行政法人酒類総合研究所理事長 福田央、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)農林水産・食品部長 森下興、日本チェーンストア協会専務理事 牧野剛、食品産業新聞社代表取締役社長 馬上直樹。
〈食品産業新聞 2023年12月4日付より〉