宝幸「2024 秋季新商品商談会」を開催、伸長するチーズやフリーズドライ事業に注力、冷食事業からは撤退
宝幸は6月11日、東京都千代田区のザ・キャピトルホテル東急で2024年秋季新商品商談会を開いた。開場に先立つ記者会見で、小澤一郎社長は冷食事業から撤退すると発表した。現在伸長しているチーズおよびフリーズドライ事業に注力する。冷凍食品事業からは2025年3月をもって宝幸としては撤退し、しゅうまい、チーズフライ品などを生産している筑西工場も閉鎖する。冷食撤退による売上減は20億円ほどを見込む。
小澤社長によると、主力商品であるしゅうまいについては「特に業務用ではプレイヤーが多く競争が激しい。利益が出る体質になっていなかった」という。チーズを使用した商品についてはOEM先に原料供給を行う形になる。
今年度の方針については「事業を取巻く変化に対しスピード感を持って対応していくことに加え、グループ経営という強みを生かし、グループ各社との連携を重視しながら新市場の開拓を進める」と述べた。また、フリーズドライと缶詰の常温事業を統合し、営業・管理効率の向上を図るという。
業務用・市販用それぞれの今後の取り組みでは「当社の強みである業務用については、コロナ5類移行後売上が落ち込んできているものの、取り込めていないターゲットを中心に提案を進める。市販用についてはまだまだ開拓の余地があると考えている。同社商品とグループ会社の人気商品を組み合わせたコラボ提案などを積極的に行っていく。外食ではツナ・コーン・チキンフレークなどの商品提案を進め、新規顧客の獲得を目指す」と話した。
ロルフ製品の新商品・リニューアル品計7品の合計売上目標金額は492億400万円とした。具材感を楽しめるダイスタイプの「おつまみチーズ」や、既存商品であるチェダーチーズ味にカマンベールチーズ味を加えた「そのまま使えるチーズソース」のシリーズ展開を進めるなど、ラインアップ拡充を図るほか、「チーズドルチェ 国産白桃」などといったデザート品を強化する。業務用はダイスカットで使いやすい「DプロセスクリームチーズM」に加え、限定販売品「柚子のレアチーズクリーム」を投入するなど新市場の開拓を目指す。
常温食品の新商品計4品の合計売上目標金額は309億円とした。そのうちフリーズドライ商品では、大袋タイプの需要が拡大していることを示したうえで野菜の具材感を楽しめる「決め手はフリーズドライ!野菜のお味噌汁10食入り」を投入。缶詰やレトルト食品は、家庭でも気軽に食べられる魚介類の料理素材として訴求する。会場では「国内産いわし味付」を使用した「いわしの揚げない竜田揚げ」や「国内産さば水煮」を使用した「さばのカレーそぼろ」などのメニュー提案を行っていた。
〈冷食日報2024年6月12日付〉