キンレイ、2023年度は4.5%増 量販で主力商品が好調に推移、第1四半期は「お水がいらない 天下一品」が好調

キンレイ、森江康行常務取締役営業本部長と白潟昌彦社長
キンレイ、森江康行常務取締役営業本部長と白潟昌彦社長

キンレイは7月16日、2024年秋冬新商品発表会を開いた。

白潟昌彦社長、森江康行常務取締役営業本部長らが登壇し秋冬新商品の紹介および50周年プロジェクトの概要、23年度業績・営業進捗の報告を行った。

同社の23年度業績について、食品事業の売上高は156億円前年比4.5%増となり、増収増益、対予算では減収増益だった。利益面では昨年9月に実施した値上げの効果で前年を上回った。

部門別の営業概況では、構成比44%を占める量販が68億円6.8%増、28%を占めるCVSが43億円3.5%減、24%を占めるCOOPが38億円8.9%増、7%を占める業務用その他が7億円10.8%増と概ね堅調に推移した。

量販では主力商品の鍋焼きうどん、家系ラーメン、ちゃんぽんなどが好調に推移した。前年割れとなったCVSは、1チェーンで採用されていた商品がカットとなった影響が大きいという。

今年度目標については、売上高169億円8.2%増とした。今年4月から本格稼働を開始した亀山工場による売上増を見込む。

部門別の営業目標では、量販で83億円21.9%増、CVSで41億円5.1%減、COOPで38億円1.9%増、業務用その他で7億円9.3%減を見込む。

24年度の第1四半期概況は、予算比95%、前年比112%で推移した。

5月から販売を開始した「お水がいらない 天下一品」が発売2カ月で114万食を売り上げるなど好調に推移している。ラーメンカテゴリの既存商品に一部カニバリが見られるものの、全体としては前年を上回った。

同商品の年間予定数はラーメンの主力商品と同程度を見込んでいるという。一方で生産の課題から販売時期をずらしたこともあり、棚割りに入りきれていない状況だ。秋以降は首都圏を中心に拡売を進めていきたいとしている。

同社では▽「組織力」の強化▽「人間力」を高める▽「仕組み」の強化▽「挑戦することを恐れないこと」▽「環境経営の視点」を強化――の5点を引き続き重点施策に掲げる。

営業本部の基本方針については「冷凍麺メーカーとして、おいしさの価値を追求し市場をリードしていく」としている。また営業本部に商品企画部を加えたことで、プロモーション強化とさらなるブランド力向上を目指す。

今年度は創業50周年を迎える節目の年として、社員の福利厚生改善や、25年度に予定している亀山工場の12時間稼働に向け体制強化を図る。50周年を記念した取り組みとして社内式典の開催や社史作成も予定しているという。

〈「お水がいらない あんかけうどん」を新発売 本格的な「だし」に注力〉

キンレイは8月20日から、秋冬の新商品として「お水がいらない あんかけうどん」を販売開始する。同商品はとろみのある黄金だしが特徴。追い鰹で香りを加えることで上品ですっきりした味わいに仕上げた。

同商品のテーマは「だしを食べる」とし、塩分は控えめながら最後の一口まで楽しめるような満足感のある味わいにこだわっている。だしにはシビ節(まぐろ節)・サバ節・追い鰹を使用した。具材には豆乳入り五目しんじょ・九条ねぎ・玉子焼き・椎茸・味付にんじん銀杏切の5種とジンジャーペーストをそろえている。

新商品の開発背景について同社では、外食で人気があるものの冷凍食品では展開されていないあんかけうどんに着目。具材・麺・とろみだしを重ねる同社の独自製法「三層構造」によって、簡単に作れて味やとろみのブレがないあんかけうどんを実現した。

森江営業本部長は「近年、当社ではうどんの構成比が徐々に下がってきており、売上ではラーメンが上回っている状況。うどんを強化していきたいという想いもあり開発した」と話す。

今回の新商品について、白潟社長は「手間がかかるメニューを簡単調理で楽しめる商品として広めていきたい。沢山具材を乗せるなどおいしさや見栄えも追求した」とコメントした。

〈冷食日報2024年7月18日付〉

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昭和47年(1972年)5月
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