テーブルマーク、発売50周年「カトキチさぬきうどん」にリブランド、さぬきうどんの麺線を変更 コシはそのままにもちもち感アップ

テーブルマーク発売50周年「さぬきうどん」を「カトキチさぬきうどん」にリブランド
テーブルマーク発売50周年「さぬきうどん」を「カトキチさぬきうどん」にリブランド

テーブルマークは7月24日、同社食品開発センター(東京都大田区)で2024年秋季新商品発表会を、ケイエス冷凍食品と合同で開いた。

テーブルマークは今期、冷凍うどん発売50周年を迎えた。最需要期を迎える今秋は主力商品である「さぬきうどん」を「カトキチさぬきうどん」にリブランドする。「カトキチ」を同社うどんの商品ブランドに位置付ける。過去最大規模の消費者キャンペーンなど各種プロモーション企画も展開し、認知拡大と喫食頻度の向上につなげる方針だ。

戦略本部長兼研究担当の泉貴成執行役員は「冷凍うどん発売50周年に当たり、1つはこの50年変わらずご愛顧いただいているお客様への感謝を、もう1つがこの先の50年を見据えて新しくファンになっていただくためのメッセージを、伝えていこうと考えた。この春は、長年ご愛顧いただいているお客様への感謝をテーマにしたプロモーションを中心に展開したが、秋はその感謝の取り組みに加えて、次の50年に向けて、新たなファンづくりのためのブランディングを始める」と述べた。

テーブルマーク戦略本部長兼研究担当の泉貴成執行役員
テーブルマーク戦略本部長兼研究担当の泉貴成執行役員

ブランディング施策の1つが、テーブルマークのうどんのリブランドだ。

テーブルマークという企業ブランド対して、「カトキチ」をうどんのプロダクトブランドとして確立する。「加ト吉のうどんとしてご愛顧いただいてきた方に、これからはテーブルマークの『カトキチうどん』としてご愛顧いただき、次の世代に引き継いでほしいという思いでリブランドに取り組む」(泉執行役員)。

発売50周年に当たり、今春は50周年ロゴを作り、4月からうどん類を対象に消費者キャンペーンを実施。ホームページでは50周年記念サイトを立ち上げた。もっとも上期(1~6月)の販売状況は若干苦戦しているという。値上げの影響のほか、生産面の不安から夏季の販促を控えたことも影響した。

今秋はうどんの最需要期に向けて、主力商品である「さぬきうどん」の品質改良とともにリブランドに取り組む。

品質面では原料の配合と麺線の変更によってコシの強さを維持しつつ、もちもち感をアップさせた。うどんの食感のトレンドはコシの強さが圧倒的に支持されているが、もちもち感の嗜好も強まっているという。

従来よりも麺に厚みを持たせ、包丁切りの切断面を広くした。切断面がくびれになるためくびれ感がアップ。そのくびれが吸水面となるため、広くなった吸水面がもちもち感につながっている。リニューアルにより、香川県のうどん店の主流の麺線に近い設計になったという。

具付きの「讃岐麺一番 肉うどん」なども麺線を変更してもちもち感をアップさせる。「肉うどん」と季節商品では麺増量キャンペーンも秋口から実施予定だ。

パッケージも変更する。従来からの赤のイメージカラーをベースに、縦帯を配置して視認性を高めた。商品ブランドとして「カトキチ」を打ち出した商品名の青色ロゴを配置し、麺の特徴である「くびれ麺」も表面で訴求する。

「稲庭風うどん」「丹念仕込み本場さぬきうどん」にも「カトキチ」を付けて、玉麺シリーズとして統一感のあるデザインに変更する。商品ブランド「カトキチ」を付けた商品名の変更となる。同社のうどんの生産量は2020年に6億食を越え、業界シェアは数量ベースで60%前後というが、テーブルマークと「カトキチ」とを別々に認識している人が多く、特に高齢者はカトキチの認知率が高いという。そのため同社はブランド資産として「カトキチ」を活用することが有用と判断した。

「カトキチさぬきうどん5食」は12月ころに1食増量キャンペーンを実施予定だ。

キャンペーン施策としては、テーブルマークのうどん以外を含む商品を対象に、10万人以上に賞品をプレゼントする、過去最大規模のキャンペーンを実施する。

また冷凍うどんのPR 活動として、著名人を起用したPR イベントやキッチンカーによる試食展開、協賛する子ども将棋大会での試食イベント(対象人数1万2,000人)、その他メディア施策による認知拡大施策などを展開する。ブランディンク施策のもう1つが、うどんだけではない「冷凍麺のテーブルマーク」への進化だ。そのためのPR 活動も強化する計画だ。今秋は「まるぐラーメン」に新商品「燈郎監修 まるぐ 濃厚豚骨醤油ラーメン」を投入する。

これまでは具材の充実を訴求点にしていたが、今秋から、具材はもちろん、麺やスープまで専門店品質であることを訴求する。起用タレントを変更して広告内容も一新する計画だ。関東エリア限定でテレビCMの放映も9月中旬~10月中旬に予定している。

〈冷食日報2024年7月25日付〉

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