「宅麺」リアルな場での商品提供を強化、新たな集客として期待、ラーメン店の新たな収入にも
ラーメンの通販サイト「宅麺.com」(運営はグルメエックス)は、ECサイトでの販売に加えて、スーパーでの販売や、飲食店での提供などを進めている。
ラーメン店は店内での喫食が前提だったため、店舗の大きさなどで販売には限界があった。冷凍で商品を販売することで、ラーメン店にとっては新たな収入源になる可能性があるという。有名店の味を冷凍で提供できるという強みを活かし、更なる拡販につなげていくという。
「宅麺.com」は、お取り寄せラーメンのECサイト。店舗の味を自宅でもそのまま味わえるよう、麺やスープ、具材は、濃縮せずにそのままの状態で冷凍して届けている。全国の有名店も多数参加しており、これまでに累計で380万食を販売している。
近年では、ラーメン店から預かったレシピを忠実に再現する「TAKUMEN LABO」という取り組みも進めている。各ラーメン店からレシピを共有してもらい、店主から「店と同じ味」と認められて初めて販売している。現在は「ちばから」「むかん」「濃麺海月」の3店舗の商品を販売している。
新たな取り組みとして、小売店での販売や飲食店への商品提供を進めている。
小売店では、イオンリテールが運営する冷凍食品専門店「@FROZEN(アットフローズン)」での販売を開始した。「宅麺」の担当者によると「これまで並ばなくては食べられなかった味を、EC ではかかってしまう送料がかからずに、気軽に味わえるなどで順調に売れている」と話す。現在は、イオン川口前川店(埼玉県川口市)と、イオン新瑞橋店(愛知県名古屋市)の2店舗で扱っており、今後は「アットフローズン」全店での販売を視野に入れている。
さらに、居酒屋やカフェなどへの商品提供も進めている。ある居酒屋では、ランチタイム限定で「宅麺」で扱っているラーメンを実際に提供し、売上は提供前の10倍近くまで伸びたという。現在は、ヴィア・ホールディングスグループで展開の「元祖台湾まぜそば 麺屋はなび」や「やきとりの扇屋」など30店舗で商品を提供している。
宅麺の担当者は「有名店の味を並ばずに、近くの店でも気軽に本格的な味を楽しめるようにできれば」と語った。
〈冷食日報2024年7月31日付〉