ニップン、「オーマイプレミアム」が好調維持、ワンプレート商品も順調、大幅2ケタ増を維持

ニップン「オーマイプレミアムペペロンチーノ」
ニップン「オーマイプレミアムペペロンチーノ」

ニップンの冷凍パスタの動向は、2023年秋頃からスタートした「オーマイプレミアム」の新たなブランド戦略が奏功し、2桁増を維持しているという。ワンプレート商品シリーズの「よくばり」シリーズも好調を維持している。冷凍食品事業本部冷食営業部の篠山康司部長に聞いた。(取材は7月中旬に実施)

――今年度に入っての販売動向は。

23年度における年間の家庭用冷凍麺の販売状況は2桁増で、過去最高を更新した。24年度に入ってからは、23年度を上回るペースで2桁伸長は継続しており、順調だ。

――販売が伸長した要因は。

23年度よりも伸びている要因としては、23年度は上期に値上げを実施した影響があって、金額は上回るものの、数量は前年を若干下回った。

また、23年は秋頃から「オーマイプレミアム」シリーズで新たなブランド戦略を開始し、その第一弾として冷凍パスタ「至極」シリーズを投入した。CMも新たに作り変え、これまでのタレントを起用したCMから、美味しさを全面にアピールする内容のCMに変えたほか、CMの放映規模も当社では過去に前例のない放映規模で、23年10月から24年2月までの5カ月間、放映を続けた。これらが大きく伸長した要因だと見ている。数量的にも23年度の下期からは回復傾向にあった。今も回復傾向は続いている。

今年入って良かった要因としては、CMの効果、ブランド戦略の効果というのが大きいと思う。さらに、今春からは乾麺でも「オーマイプレミアム」ブランドのパスタ2品を投入したほか、積極的なCM放映で認知度は高まっている。冷凍麺もブランドの認知向上に伴って大きく伸びている。

――好調だった商品は。

やはり売上トップの「オーマイプレミアムペペロンチーノ」だ。伸長率は特に大きい。次は「オーマイプレミアム 海の幸のペスカトーレ」だった。

23年秋からスタートした「至極」シリーズも順調に推移している。「オーマイプレミアム」シリーズよりも価格が高いため、数量的には「オーマイプレミアム」シリーズを下回るものの、既存の「オーマイプレミアム」シリーズの回転が上がるなど、相乗効果も出ている。中でも「至極の蟹トマトクリーム」は順調に推移した。また、「至極のたらこ」、「至極のカルボナーラ」も次いでよかった。

「至極」シリーズは、他の「オーマイプレミアム」シリーズよりもワンランク上のソースの味わいと、具材感が高い評価を受けている。

――春の新商品の中で良かったもの。

やはり、「オーマイプレミアム うま塩レモン」だ。昨春に初の期間限定商品として投入したところ、「オーマイプレミアム」シリーズでもベスト5に入る出荷数量だった。真新しさの少ない冷凍パスタ売場で、お客様の目を引くような商品を目指して開発したところ、非常に上手くいったと考えている。冷凍パスタのトライアルを促進する効果もあったと思う。また、昨春発売の期間限定商品「トマトクリームのスープパスタ」も、「うま塩レモン」からそのまま切り替える小売店が多く、導入を進めやすかった。

「うま塩レモン」は、復活の要望が多ったため、パッケージの刷新などを行い今年再び発売した。すると、すでに前年の2倍近く出ている。今秋には別の期間限定商品を出す予定だ。期間限定の商品は今後も継続したい。

――ワンプレート商品の動向は。

去年は本当に調子が良く、前年同月比で50%超えの月が何度も続いた時もあるような状況だった。そこからは落ち着いたものの、伸び率は大幅2ケタ増の状態にある。競争が激しくなっている市場だが、冷凍パスタに比べればまだまだ伸びる余地を残している。また、他社の参入により、アイテム数が増え、店舗でもワンプレート専用の棚を作るなど、売場での存在感は高まっている。当社も導入していただける店舗は確実に増えている。

〈「オーマイプレミアム」ブランドを育てる取り組みを継続〉

――好調な商品は。

「よくばり御膳 五目ご飯と鶏と野菜の黒酢あん」は変わらずトップで、老若男女から支持されている。2位は「よくばり御膳 鶏めしとチキン南蛮」で、3番手は月によって変わるが、「よくばり御膳 五穀梅ご飯と彩り野菜とバジルチキン」、「よくばりプレート 完熟トマトソースハンバーグ&ミラノ風ドリア」、「よくばりプレート 和風おろしハンバーグ&香味醤油スパゲッティ」あたりが争っている状況だ。

――注力した販売戦略は。

先ほども申した通り、23年秋からはオーマイプレミアムに集中した広告や販促を展開し、「オーマイプレミアム」ブランドをマスターブランドにすべく取り組んだ。「オーマイプレミアム」イコール「美味しい」という風に感じてもらえるようにし、パスタを食べたいと思った時に「オーマイプレミアム」シリーズの商品を買ってもらえるよう、ブランドに育て上げる戦略を一貫して進めている。今年度に入ってもそれは継続している。

パッケージもよりシズル感のあるパッケージに変更した。以前から当社のパッケージはシズル感が好評だったが、今までは紙トレイに入れていた商品カットを、実際の喫食シーンを想起させるようなものに変え、評判はより良くなった。

――今後も好調は維持できそうか。

先々までは分からないが、商品戦略や販促施策で活用していただけるよう取り組みたい。商品クオリティを維持しつつ、既存メニューはより美味しくなるように進化させていく。長年支持していただけるよう、常に改良を続け、「『オーマイプレミアム』シリーズ、また価値が上がったな」と感じてもらえるよう、商品戦略を考えていきたい。

〈冷食日報2024年8月27日付〉

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創刊:
昭和47年(1972年)5月
発行:
昭和47年(1972年)5月
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