ECサイト「駅弁屋祭」をオープン、冷凍駅弁34品販売、共同開発「牛肉どまん中」も/JR東日本
〈駅弁文化の次世代承継を目指す〉
JR東日本クロスステーションフーズカンパニーは9月9日から、JRE MALLおよび楽天市場にてECサイト「【冷凍駅弁】駅弁屋祭」をオープンし、人気駅弁34品の販売を開始する。今回オープンするEC店では、東京駅店の販売ランキングトップ3の駅弁を取りそろえるほか、ECサイト限定品も販売する。一部商品については、電子レンジでの解凍に加えて常温解凍が可能になっているため、緊急時の保存食など様々な食シーンに応える。
ECショップ「【冷凍駅弁】駅弁屋祭」のコンセプトは、日本全国どこにいても気軽に駅弁を楽しんでもらいたいという思いから「人気駅弁をいつでも楽しめる」とした。1個から全国へ発送できるため、プレゼントや自宅でのごほうび需要などに向けて訴求する。同社では冷凍でも美味しさが損なわれないよう、何度も試作を繰り返して食材を選定。冷凍することで味の感じ方が変化しやすくなることを考慮し、数グラム単位でバランス調整を行っている。
パッケージについては、通常のものより小さい専用容器を採用し、家庭での冷凍庫のスペース確保にも配慮する。冷凍商品でも駅弁らしさを感じられるよう、通常の駅弁に近いデザインを目指した。
解凍方法は電子レンジで4~8分、および一部商品では3~4時間の常温解凍の2通りを用意する。自宅を出る際に冷凍庫から取り出しておき、外出先で解凍された商品を楽しむ食べ方もおすすめしているという。
リアル店舗である東京駅店は150種以上の駅弁を取りそろえており、1日につき約7,700人が来店、約10,000個以上の駅弁を売り上げている。今回のラインアップでは、同店の販売ランキング1位「牛肉どまん中」・2位「チキン弁当」・3位「炭火焼風牛たん弁当」の3品をそろえた。
「牛肉どまん中」は、新杵屋とJR-Crossの共同開発によるECサイト限定のオリジナル商品。山形県産米「どまんなか」をふっくらと炊き上げ、秘伝のたれで味付けした牛肉煮と牛そぼろ煮をのせた。同じくECサイト限定で、牛肉煮をカレー味で味付けした「カレー味」も展開する。価格は税込1,350円。
「チキン弁当」は、鶏唐揚げとトマト風味のライスが特長で、2024年で60周年を迎えるロングセラーの駅弁。価格は税込800円。
「炭火焼風牛たん弁当」は、一枚ずつたれに付け込んでからじっくり焼き上げた牛たんを麦飯と一緒に楽しめる商品。価格は税込1,350円。
ECサイトのオープンを記念し、「オープン記念人気5商品詰め合わせセット」の販売も開始する。税・送料込で4,980円。商品内訳は▽牛肉どまん中・チキン弁当・炭火焼風牛たん弁当・牛肉どまん中(カレー味)・鯵の押し寿司――の5品。
9月6日に本社で報道向けに先行試食会を開催した。同会では、弁当事業部長安部基宏常務執行役員と日本鉄道構内営業中央会の松橋信広事務局長が登壇し、あいさつした。
安部氏=「今回は第一弾として、日本各地の駅弁会社10社の34品を取りそろえた。東京の店舗に足を運ばずとも、日本の独自文化として愛されてきた各地の駅弁の味を、好きな組み合わせで、いつでもどこでも楽しんでもらいたい。同サイトでは今後もラインアップを拡充していき、新たな楽しみ方を提案し、地域の特色ある味を表す駅弁の次世代承継を目指す」
松橋氏=「現在、当会会員のうち駅弁の製造販売を行っているのは77社となっている。コロナ禍において駅弁販売数が激減したことで、冷凍駅弁の販売事業が進んでいき、新たな商品カテゴリーとして各社が旺盛に取り組んでいる最中だ。一方、これまでは各社が独自で取り組みを進めていたため、一体感の醸成が進んでいなかった。ECサイトで各社の駅弁が集うという機会は非常に有効だと思っており、期待を寄せている」
〈冷食日報2024年9月9日付〉