ニチレイフーズ、業務用冷食の2025年春季新商品9品・改良品21品を発表
〈美味しさ追求した春巻を投入、簡便調理・健康感テーマの商品も〉
ニチレイフーズは10日、東京・築地の本社で2025年春季新商品発表会を開き、業務用冷凍食品では新商品9品・リニューアル品21品を、また業務用常温食品の新商品3品を発表した。滝英明執行役員業務用事業部長が説明した。今季のコンセプトとして、主力商品を磨き上げる「美味しさの追求」および、「業態課題・生活者ニーズへの対応」を掲げ、後者では利便性・健康感に配慮した商品を投入する。
市場背景として、ニチレイフーズの予測によれば、2024年の惣菜・外食市場規模は外食がコロナ前の2019年比99.2%の約26.1兆円、惣菜が同111.3%の7.7兆円と、合計で33.8兆円となり、2019年の33.2兆円を上回る見通しだという。一方、社会環境は食の外部化の進行による惣菜・外食に日常利用増加、インバウンドやコト消費需要増に伴う外食利用の増加が見られる一方、各業態で「人手不足」が最大の課題となっている状況にある。
そうした中、同社では業態特性に応じた加工度の異なる商品を提供し、各調理工程で人手不足解決に貢献。主力商品の「美味しさの追求」により手作り同等の品位価値を提供し、手作りからの置き換えに対応するとともに、ニーズに応じて簡便調理に対応する「利便性」、栄養やアレルゲンに配慮した「健康感」コンセプトの商品を投入する。
主力商品の「美味しさの追求」では、好調の「究極の唐揚げ」(2023年春発売)、「ブロスハンバーグ」(2024年秋発売)に続き、今季は春巻・クリームコロッケ・農産品で品位を高めた商品を投入する。
「特撰中華 具沢山春巻」は、10種の具材を使用し、従来品比1.4倍の具材量の「圧倒的な具材感」、専門店製法を参考にした「パリッと軽い皮食感」、配合変更で揚げムラのない「照り」と、新製法により圧倒的な美味しさを実現した春巻。具材の充填工程には新たな設備を導入し、両端まで具材が詰まる形状にしている。
「宮城県蔵王産ミルクのとろ~りクリームコロッケ(かに入り)(かに1.6%入り)」は、自社製ルーと宮城県蔵王産ミルクを使用し、くちどけの良さを追求したクリームコロッケ。独自技術で時間が経ってもクリームのなめらかさとサクッとした衣食感が持続するよう仕上げた。
農産品「素材そのままカリフラワー」は過熱蒸気で加熱することにより、食感にこだわり、生鮮品に近い風味と栄養素を保持した「素材そのまま」シリーズ第2弾。今後、他の野菜品種にもこの製法を順次導入していく方針だという。
コンセプト「利便性」への対応では、簡便調理・手間削減に配慮した商品を発売する。
「じゅわっと香ばし鶏唐」は、食感・味・外観に加えた美味しさの要素「香ばしさ」を追求した唐揚げ。こだわりの3種の醤油を独自配合し、独自製法で時間が経っても醤油の香ばしい風味が残るようにした。温度上昇を早め、調理時間を30秒短縮する時短調理に対応する。
ほか、簡便調理品として揚げるだけのワンハンドスナック「北海道3種のチーズスティック」や、一部ユーザー先行販売の半加工品「ささみスティック(生IQF)」などの商品を発売する。
コンセプト「健康」への対応では、学校給食市場などに向けアレルゲン配慮で原料に小麦・卵・乳を使用せず、減塩も考慮した「みんなにやさしい鶏からあげ」を発売。
また、常温商品としておいしく野菜が摂れる具だくさんのスープ「Vegedelica」シリーズとして「あらごしトマトと6種野菜のミネストローネ」「具だくさんのクラムチャウダー」「12種野菜の濃厚ポタージュ」の3品を発売。量販店の惣菜・ベーカリー売場に陳列する家庭用に近い売り方の商品として提案するもので、簡易なオペレーションで売場のもう1品を実現する。
〈冷食日報 1月15日付〉