デイブレイク、「ちよだ鮨」と冷凍寿司を共同開発、2月から業務用として販売へ
〈ホテルや飲食店の朝食やルームサービス、宴会料理での活用など想定〉
冷凍機の開発などを手掛けるデイブレイク(東京都品川区)は、持ち帰り寿司店を展開するちよだ鮨(東京都中央区)と共に冷凍寿司を開発し、2月から業務用市場に向けて販売する。冷蔵で解凍できる商品で、マグロやサーモン、カンパチ、真鯛など10品を開発した。人手不足で朝食やルームサービス、宴会料理での活用を想定する。また、米国での販売も計画しているという。
従来の冷凍寿司は、シャリとネタを別々に凍結し、解凍後に一体化させるものが多い。解凍方法も湯せんか常温での解凍となっている。
今回デイブレイクとちよだ鮨で開発した冷凍寿司は、握った寿司をそのまま凍結しており、解凍後にそのまま提供できる。仕上げの工程を必要としないため、特別な設備や専門技術を必要とせず、職人が不在の店舗や厨房のない施設でも本格的な寿司を提供できる商品として提供する。
ホテルや旅館では、朝食のバイキングや宴会、ルームサービスなどに最適な商品として提案する。飲食店では差別化につながるようなメニューとしても訴求する。
解凍時に握りたての寿司を再現するため、冷凍寿司専用にシャリのレシピを開発した。水分量や酢の配合などを調整し、米の乾燥やベチャっとした食感を防ぎ、米の食感と適度な粘りを維持したシャリに仕上げている。
また、オペレーションや衛生的な観点から、困難とされていた冷蔵での解凍を実現した。4~5度の冷蔵庫内で8時間ほどかけて解凍する。湯せんや流水での解凍は、そこまで時間をかけずに喫食できるようになるものの、ちょっとした失敗で味わいが大きく損なわれてしまうこともあるという。その点、冷蔵解凍は長く置いておいた場合でも、解凍後36時間までは品質に大きな劣化は認められなかったようだ。
また、国内だけでなく海外での展開も視野に入れており、米国での販売に向けた提案を進めているという。デイブレイクの片山良宏副社長は「来期には日本円で億単位の規模になれるよう、展開を進めたい」と力を込める。
ちよだ鮨としては今後、現在販売している寿司を全品冷凍でも提供できるよう2025年度内を目標に開発を進めていくという。ちよだ鮨の商品本部商品開発部長の小野寺大樹氏は「老人ホームなど、寿司を食べたくてもなかなか食べられない方にとって喜ばれる商品になるのでは。冷蔵で解凍できるため、安全面でも非常に高いと思う」と話す。今後については「業務用の商品として、冷凍寿司には強い可能性を感じている。できるだけ早い時期に売上規模を拡大できれば」と語った。
〈冷食日報 1月17日付〉