香ばしさとほぐれを両立/ニチレイフーズ「香ばし麺の五目あんかけ焼そば」【食品産業技術功労賞】

ニチレイフーズ「香ばし麺の五目あんかけ焼そば」は、レンジ調理することで、麺の焼いた香ばしさを高める新製法を開発、2段トレイ容器を採用することで、調理時の不満を解消した。積極的にプロモーションも展開し、ヒットにつなげた。2023年秋に発売し、冷凍あんかけ焼そば市場が拡大するきっかけを作った商品といえる。
自家製の麺は工場でしっかりと焼いて急速凍結し、電子レンジ調理をすることで、さらにこんがり色づき、香ばしく仕上がる独自の技術を採用した。
容器にオリジナル2段トレイを採用。上段の五目あんは具材の大きいカットサイズと食感にこだわっている。レンジ加熱後にトレイから滑り落とすだけで出来上がる簡便性も特徴だ。
あんかけ焼そば市場は手作りと外食が大半を占めるという。冷食のあんかけ焼そば市場はチルド惣菜を大きく上回っているものの、同社では麺の焼目や食感、具材感、あんの香り立ち——といった冷食でしか表現できない要素があることに着目し、成長可能性を見出した。
「食品産業技術功労賞」は、食品産業新聞社が1971年から実施する顕彰事業。食品産業の発展に著しく貢献した企業、または個人、団体を顕彰するもの。部門は、「商品・技術部門」「資材・機器・システム部門」「マーケティング部門」「サステナビリティ部門」「国際部門」「地域創生部門」の6つがある(2024年時点)。
「第54回 食品産業技術功労賞審査」の選考委員(敬称略)
▽一般財団法人食品産業センター理事長 荒川隆
▽国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門所長 髙橋清也
▽国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事国立健康・栄養研究所所長 瀧本秀美
▽独立行政法人酒類総合研究所理事長 福田央
▽独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)農林水産・食品部長 森下興
▽日本チェーンストア協会専務理事 牧野剛
▽食品産業新聞社代表取締役社長 馬上直樹
〈食品産業新聞 2024年12月2日付より〉