タニタ、置き社食サービスを開始、冷凍弁当を提供

タニタ、置き社食サービスを開始、冷凍弁当を提供

〈国分グループと共同で商品開発、市販市場も視野に〉

タニタは5日から置き社食サービス「タニタカフェ at OFFICE」を開始すると発表した。同日から受付を行い、最短で2月末には導入できるという。同社で展開の飲食店「タニタカフェ」のメニュー8品を冷凍弁当としてオフィスでも楽しめるようにした。企業の健康経営のサポートを図る。オフィス向けサービスは参入企業が増加傾向にある。他の冷凍弁当ではあまり見られない野菜の具材感や食感などを強みに、初年度は100法人での採用を目指す。

今回のサービスでは専用の冷凍庫を置くスペースと、電子レンジを設置することで導入できる。冷凍庫にストックしてある商品を取り出し、決済サービス「Paypay」で料金を支払う。レンジで温めるだけの簡単調理で、オフィスにいながら健康的な食事を楽しめるようにする。

初期導入費用は6万円(税別)で、月額利用料は4万5,000円(税別)からで、商品は別途費用が必要になる。

タニタは「タニタ食堂」と「タニタカフェ」の2つの飲食店を展開しており、2025年3月末に38店舗の展開を計画している。今回の冷凍弁当は、「タニタカフェ」のメニューを、国分グループと共に商品化した。

少子高齢化によって企業の採用活動は売り手市場になっている。新卒者の内定率は過去最高で2024年3月卒の98.1%が内定を得ているという。コロナ禍の終息が見たことで対面でのコミュニケーションを重視する企業は増えており、オフィス回帰の動きも加速している。

こうした環境の変化で、企業選びにおいて福利厚生の重要度は増しているようだ。また、昼食はエネルギー補給としてだけでなく、心身のリフレッシュとしても重要な役割を持つようで、タニタが実施した調査によると、ビジネスパーソンは「美味しく、健康的な食事」を理想としているものの、実際には価格の安さや、手軽さを優先している人が約8割にのぼった。

今回のサービスでは、栄養バランスの取れた食事を、手軽に楽しめることを目指す。企業は福利厚生として採用することで、従業員は値ごろに料理を楽しめるという。大企業は健康経営の取り組みを加速させているとの見立てから、従業員数50人前後の中小企業をメインターゲットにアプローチを図る。

現在、さまざまな企業で福利厚生向けの置き社食サービスは広がりつつある。その中で、新サービスの強みについて、取締役営業本部長の浅尾祐輔氏は「野菜量の多さや具材の食感は他のサービスにはない特徴だと思っている。食事だけでなく、健康情報のサポートなど当社の強みを活かして差別化を図りたい」と話す。

今回展開するメニューは、「“噛む”サーモンと雑穀のショートパスタ」や「トマト仕立てのピリ辛スパイスカレー」、「大豆ミートとレモンのジンジャースープ」、「ベイクドチーズケーキ」など8種。

商品開発には国分グループも携わり、食品物流のノウハウを活かしてタニタカフェ商品の製造と販路開拓のサポートを受けることで、サービスの提供価値向上を図る。商品製造はグループのデリシャス・クック(東京都中央区)が担当し、受注から発送まではミクリード(東京都新宿区)が行う。福利厚生として採用された場合、従業員は元の価格から3割ほど安く購入できる。

まずは1都7県で展開し、2025年9月までに全国展開に踏み切り、初年度は100法人での導入を目標とする。2026年度には冷凍食品通販や小売店での販売を目指すほか、2030年度に1,000法人への採用を目標とする。

4日に行われた発表会で、タニタの谷田千里社長は、「新サービスは、中小企業やスタートアップ企業でも導入しやすいパッケージになっている。よりいっそう、日本を健康的にしていければ」と語った。

〈冷食日報 2月5日付〉

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近年の冷凍食品をめぐる情勢は、共働き世帯の増加や家族構成の変化、また飲食店や量販店の惣菜売場の多様化によって需要が増加しています。一方で、家庭用冷凍食品の大幅値引セールの常態化はもとより、原料の安定的調達や商品の安全管理、環境問題への対応など課題は少なくありません。冷食日報ではこうした業界をめぐるメーカー、卸、そして量販店、外食・中食といった冷凍食品ユーザーの毎日の動きを分かりやすくお伝えします。

創刊:
昭和47年(1972年)5月
発行:
昭和47年(1972年)5月
体裁:
A4判 7~11ページ
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