新しい楽しみ方提案でビールの再魅力化目指す-キリン17年事業方針
キリンビールは12日、事業方針発表会を開催した。布施孝之社長(写真)と田中敏宏執行役員マーケティング部長が登壇した。
布施社長は2016年を振り返って、市場環境は「消費低迷、デフレ再燃で消費2極化が更に加速した。本物・手づくり志向の拡大の一方で、手頃な価格への根強い支持がった。ビール類は、夏場の天候不順、外食低迷もあり、ダウントレンドは依然として続いた」と述べた。
同社のトピックスとして「一番搾りブランド計は、3年連続プラスを達成した。47都道府県の一番搾りは、年初目標の2倍以上となる270万ケースを販売し、今年の飛躍の礎となった。機能系カテゴリーが引き続き伸長し、淡麗グリーンラベルは堅調に推移し、淡麗プラチナダブルは2年連続プラスを達成した。一方で、新ジャンルののどごしが苦戦した。これは15年がオールライト発売や季節限定品の投入でプラスだったことから、15年の施策をなぞってしまったとの反省をしている。伸びている時こそ攻めねばならなかったのだが。RTDカテゴリーは、5年連続プラスを達成した。氷結は、6年連続プラスを達成。年初からの“あたらしくいこう”をテーマにしたコミュニケーションが奏功し、20代から支持を得た。本搾りも5年連続プラス。国産・輸入ウイスキー計で、前年比14%のプラスで年初計画を上回った。決算は2月に発表するが、売上金額はマイナス3%程度に抑えられる。利益は、バリューチェーンの徹底的なコスト削減により増益となる」と語った。
キリンビールが目指す中期的姿として「マイナスが続く日本の総ビール市場を何としてもお客様にとって魅力のあるものにし、反転させたい。お客様のことを一番に考えている会社として、もっと身近なビール屋になる。酒税改正を受けた中長期的考え方は、ビール魅力化への取組みを継続する。発泡酒・新ジャンルは機能系など付加価値の高い商品が伸長するチャンスだ。RTDは2026年まで増税据え置きであり、市場拡大する。トップブランドを育成しながら新たに提案する」とした。(続きは本紙で)