主要食品メーカー12月期中間 増収14社、減収5社 全社平均で売上高2.7%の伸び
ビールメーカー4社を含む主要食品メーカー19社の17年12月期第2四半期(中間)決算(一部11月期)が出揃った。連結売り上げでは増収が14社で前年(20社集計)を3社下回った。減収は5社(前年3社)となった。営業利益は赤字の1社を除き11社が増益。前年は赤字1社以外、全社が増益だったのでやや厳しさがうかがえる。なお、売上高の伸びは全社平均で2.7%。通期では1.8%増を見込む。
ビール4社(HD=ホールディングス)の第2四半期決算は、サントリーHD、アサヒグループHDは増収増益、サッポロHDは増収減益、キリンHDは減収増益とまだら模様。
サントリーHDは、国内売上高が1.5%増の8378億円、海外売上高が1.8%増の4561億円。酒類の売り上げは3.1%増の4805億円。ビール類は市場が1%減の中、前年並みと健闘、RTDはストロングゼロが好調で13%増。飲料・食品は1.7%増の6857億円。「天然水」「伊右衛門」が好調。キリンHDは日本綜合飲料事業がキリンビバレッジの会計変更などもあって1.3%減、オセアニアなど海外事業も減収、連結では4.6%の減収。しかし営業利益は国内事業会社の収益性改善により大幅な増益となった。国内ビールは「47都道府県一番搾り」の再発売があったが、公正競争規約による値上げの影響で微減。「氷結ストロング」が好調でRTDは増収。
アサヒグループHDは国内主要3事業の成長に加え、欧州ビール事業の新規連結で大きく売り上げを伸ばした。増収効果に加え、コスト削減も進み、営業利益も大幅増加。酒類売り上げはビール以外が増収し、0.2%増の4446億円。飲料売り上げは炭酸飲料や乳性飲料が好調で5.3%増、食品事業は主力ブランドが好調で3.9%増。サッポロHDの国内酒類事業は「黒ラベル」「ヱビス」の好調により、売上高は1.0%増の1275億円となったが、営業利益は1%の減益。食品・飲料事業の売り上げは1.0%増の654億円となったが、営業損失は11億円(前期は8億円の損失)となった。なおオエノンHDを含めた酒類5社の総売り上げは3兆4905億円で前年同期比4.3%増。通期売り上げ見込みの総計も7兆33318億円で4.8%増。
飲料関係のコカ・コーラボトラーズジャパンはコカ・コーラウエストとコカ・コーライーストが4月に経営統合した(事業会社として存続)。今回の第2Q実績はウエスト分にイーストの第2Qを合算した。前年比はウエストの前年実績から計算しており、大きな増加になっている。統合効果がはっきりわかるのは次期以降になる。
山崎製パンは増収減益。菓子パン売り上げはCVS向けドーナツの売り上げ減少の影響が大きく、0.7%減の1807億円。食パンは、「ロイヤルブレッド」「超芳醇」「ダブルソフト」の3大ブランドを中心に数量・単価とも上昇し.0%増の507億円。調理パン・米飯類部門は品質向上のサンドイッチが牽引し5.8%増の762億円。和菓子、洋菓子も微増。この結果、食品事業売り上げは0.5%増の4883億円となった。
キユーピーの売り上げは1.4%増の2772億円。営業利益148億円、経常利益152億円とも過去最高なった。調味料事業は海外の拡大と、国内のドレッシングが堅調で3.0%増。国内のマヨネーズ類はハーフが微減だったが、レギュラーは健闘し、ほぼ前年並み。国内ドレッシングは4%増。サラダ・惣菜はカット野菜や惣菜が伸長。相場の影響を受けたタマゴ、コーンの休売の加工食品は減収。