〈コラム・金曜日のインサイト〉カテゴリーは同じだけれども、実情は180度異なっている

平成28年度県別酒類消費 合計数量上位10県と下位5県
23日付で掲載した「1人当たりの酒類消費量」についての記事だが、様々な方から様々な反応があった。トピックスとして書いた「山口県の前年対比の伸び率がナンバーワン」と言うことについては山口出身の方からは「獺祭が土産物として買われているからではないか」と言う意見があったり、青森出身の友人からは「濃いお酒ばっかり飲んでいるから寿命短いのかな」(注・青森県は焼酎甲類やウイスキー、ブランデーといった蒸留酒で1人当たり消費量が上位に入っている)や、新潟出身の後輩は「山梨が1人当たりのワイン消費量の1位から陥落したけど、新潟の日本酒もゆくゆくはそうなるのだろうか」など。様々な意見が見られるが、やはり自分のお国のことは気になるのだろう。私も出身地・大阪の「1人当たり酒類消費量」がベスト5から陥落したことが気になる。私が大阪にいれば防げたのだろうか。

そんな冗談はさておき、もう1つ気になるものは清酒の「吟醸・純米」と「本醸造・普通酒」では随分と事情が違ってくるが、同じカテゴリーで括られていることや、単式蒸留焼酎も九州内ではあるが「麦」「芋」「米」で消費の様相は大きく異なるはずだ。特に清酒については恐らく「純米・吟醸」は1人当たりでも東京がトップとなるのではなかろうか。ワインも「国産」は恐らく山梨が依然突出して1位と予想される。ただ、現状は国税庁や各種団体が公開している資料には「課税出荷数量」は県別・カテゴリー別であっても「消費数量」については発表していない。

上に挙げたものは同じカテゴリーで括られていても細かく見ると実情は大きく異なるもの。別の酒類として取り扱え、とまで言う気はないが、より現状に即した資料を提供するためにも、特定名称別、原料別などの細やかなデータを公開して頂ければな。と思った次第である。

〈酒類飲料日報 2018年1月26日付より〉

【関連記事】
1人当たり酒類消費量最多は昨年に引き続き東京、唯一100L越え 前年比では山口がトップで12.9%増

平成28年度 県別酒類合計消費数量 伸び率上位10県と下位5県

平成28年度 県別酒類合計消費数量 伸び率上位10県と下位5県

平成28年度 県別1人当たり酒類消費数量 上位10県と下位5県

平成28年度 県別1人当たり酒類消費数量 上位10県と下位5県