2017年の清酒の輸出は金額・数量共に過去最高、8年連続で過去最高更新
輸出酒類全体の数量から清酒が占める割合を算出した数量シェアでは13.9%で1.9ポイント減、金額シェアでは34.2%と2.0ポイント減となった。清酒の伸長も盛んだが、次ぐビールやウイスキーもそれ以上の伸長をしているためこのような結果となっている。
国別の輸出数量ランキングでは米国が昨年に引き続きトップでその数量は5,780kl。実に全体の4分の1近い数量が米国へと輸出されている。中国は74.9%増で上位10位の中では群を抜いた伸び率。反対に台湾は5.3%減、香港は3.6%減となった。韓国は29.8%増と順調に伸長している。
東南アジアではシンガポール(4.1%増)とタイ(2.4%増)が6位と7位にランクインしたが、伸び率はそれぞれ他の国に比べて小幅。
ヨーロッパから唯一ランクインした英国は22.5%増と順調に推移。輸出を行うメーカーがロンドン市場を積極的に開拓した結果が出ている。その他にもランク外ではあるが、ヨーロッパ各国の成長率は目を見張るものがあり、2015年に万国博覧会が開催され、日本酒の認知度が一気に広まったと言われるイタリアは20.1%増、各社ロンドン同様に開拓に力を入れているフランスでは57.7%増。フランスではフランス人による日本酒コンクール「Kura Master」も2017年から始まり、更なる市場の拡大が期待される。
輸出金額のランキングでも米国が堂々のトップで、前年比も16.2%増と順調。全体の金額に占めるアメリカの金額は32.3%と、こちらは3分の1近くの数字になった。
続く2位には香港がランクイン。数量では5位で前年減だったものの金額では6.4%増。上位10位の国の中では1L当たりの価格が最も高く1,549円となり、前年から148円増加。3位の中国は前年比83.5%増と金額でも伸び率トップ。韓国も19.3%増で着地。ただし1L当たりの価格については昨年比34円減。香港と同じく数量ではマイナスとなった台湾も、こちらでは1.1%増とプラスになっている。
香港に次いで1L当たりの価格が高いシンガポールは、金額では15.1%増と2ケタ増。1Lあたりの金額も124円増と香港に次ぐ伸び率。英国は数量では2ケタ増だったが、金額は7.7%増。1L当たりの価格についてもマイナス123円と、上位10位の中では最も大幅。
タイと入れ替わりで金額上位10位にランクインしたベトナムだが、前年比では6.9%減と比較的大きく下落。1L当たりの価格でも26円減。なお、ランキングには載っていないが、1L当たり最高額はマカオ(4,472円)となっている。
※表の出典=財務省貿易統計
〈酒類飲料日報 2018年2月1日付より〉
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