サントリーの低アルコール飲料 主力ブランドに集中、「ハイボール缶」は圧倒的なブランド力で21%増

「-196℃ ストロングゼロ ドライ」
サントリーは、販売好調につき、7月・8月のRTDを増産する。RTD計で、前年同期比115%の1,509万箱を計画する(ハイボール缶含む、ノンアルコールRTD除く)。

上期(1~6月)の販売実績は前年同期比で110%(ハイボール缶含む)。中長期的に育成するブランドとして3つの柱に傾注している。「(ビール類新ジャンルの増税が始まる)2020年を見据えても、RTD市場はますます伸びるカテゴリーだ。新商品を出すというより、主力ブランドに集中していく」(同社)。

まず「-196℃ ストロングゼロ」だ。前年比107%の販売実績となった。“アルコール度数高めの飲みごたえ”と“しっかりとした果実味”が特長で、特に前者には「ドライ」、後者には「ビターレモン」を提案する。

TVCMでも食事に合う缶チューハイとして強力に訴求し「唐揚げと言えばストロングゼロ」「餃子と言えばストロングゼロ」というのが定着している。7月10日には夏季限定商品「-196℃ストロングゼロ〈ドライ・ザ・シャープ〉」を発売した。

次に「ほろよい」だ。販売実績は105%。アルコール度数3%で、やさしい味わいの飲みやすいお酒として、支持を得ている。沢尻エリカさんを起用したコミュニケーション活動も好評だ。「今年のテーマはアラサー世代の飲用シーンの拡大だ。発売から10年が経過し、30代・40代のユーザー拡大と定着が鍵になる」(同社)。そのためには、選ぶ楽しさが重要で、フレーバーの多さは業界随一だ。7月3日には「ほろよい〈冷やしパイン〉」「同〈塩すいか〉」を発売している。

「ほろよい 白いサワー」

「ほろよい 白いサワー」

3つ目の柱が「ハイボール缶」だ。販売実績は121%。競合商品も増えているが「市場活性化につながる」と動じないほど、圧倒的なブランド力を有している。「強いウイスキー感を求める方には〈濃いめ〉で対応。これからも盤石のマーケティング体制で販売していく」。

「角ハイボール缶」

「角ハイボール缶」

プレミアム(高価格帯)領域でのブランド育成も怠らない。「理解してもらうのにある程度の時間はかかるとみているが、2~3年後の市場を見通すと、先行してブランド育成することが絶対に必要だ。今からブランドを育てて、圧倒的に有利なポジションを取っていく」。4月から発売している「ザ・カクテルバー プロフェッショナル」は高価格帯だが、価格への抵抗感はないという。「少し高くても本格的なものを、というニーズはある」。

「こくしぼりプレミアム」は今年、デザイン、中味、コミュニケーションを大きく刷新した。中味は、隠し酒をさらに増量し、より深い余韻を実現した。

RTD領域でも高まる健康志向に対しては“明日に向けて、今日を明るく楽しもう!”をコンセプトにした「明日のサワー」を提案。すっきりとした味わいが好評で、お酒好きでアルコール高めを好む方が「最後の1缶」に選ぶポジションになっているという。7月17日には「明日の塩ライチサワー」を限定発売するなど、積極的なマーケティング活動を継続する。

〈酒類飲料日報 2018年7月25日付より〉