主要食品メーカー19社中間期 増収15社、減益は6社/18年12月期中間決算

〈全社合計で売上高5.4%増、通期3.2%増見込む〉
ビールメーカー4社を含む主要食品メーカー19社の18年12月期第2四半期(中間)決算(一部11月期)が出揃った。連結売り上げでは増収が15社で前年(14社集計)を1社上回った。減収は4社(前年5社)となった。営業利益は増益は9社にとどまり(前年11社)、減益は6社(同6社)、赤字3社(同1社)とやや厳しさが増した。なお、全社合計の売上高は5・4%増、通期では3.2%増を見込む。

ハウス食品グループは今秋、健康食品事業を担うハウスウェルネスフーズが研究している乳酸菌「L―137」により、乳酸菌市場に本格参入する。「L―137」最大特徴の免疫賦活機能を生かし、温度帯やカテゴリーに捉われない幅広い食品で需要拡大を図っていく。グループ全体の2021年3月期乳酸菌事業売上高は70億円、24年3月期には同100億円を計画している。

ビール4社の第2四半期決算は、サントリーHD(HD=ホールディングス)、アサヒグループHDは増収増益、キリンHDは増収減益、サッポロHDは減収営業赤字とまだら模様。

サントリーHDの飲料・食品セグメントの売上収益は3・9%増の6102億円、営業利益は3.7%増の665億円となった。うち酒類セグメントの売上収益は2・9%の増4733億円。日本ではサントリースピリッツが3%増。ウイスキーは戦略ブランドが好調。RTDは10%増と大きく伸長。ビール類は前年並み。

アサヒグループHDは欧州事業が大きく前年を上回るなど国際事業の伸長により、増収となった。上半期としては初の1兆円を超える売上収益。国内は、ビール類の売り上げはマイナスだったが、3月に発売した「贅沢搾り」が好調なRTD、「ブラックニッカ」「ジャックダニエル」がけん引した洋酒、トップブランドの「ドライゼロ」を有するアルコールテイスト飲料が伸長した。利益面は国内・海外とも好調。

キリンHDは売り上げは4.6%増の9182億円となったが、事業利益は4.3%減の861億円となった。キリンビールの販売数量増加がけん引した日本綜合飲料事業が増収、海外その他綜合飲料事業も大幅な増収。一方で、円高豪ドル安の進行などでオセアニア綜合飲料事業の減益と、薬価引き上げなどの影響を受けた医薬バイオケミカル事業の減益で事業利益は減少した。

サッポロHDの国内酒類事業の売上収益は5%減の1134億円、営業損失は23億円。食品・飲料事業も売上収益は5%減の596億円、営業損失は13億円となり、減収営業赤字の厳しい決算となった。それでも「黒ラベル」やRTDは好調だった。

なお、オエノンHDを含めた酒類5社の総売り上げは3兆3928億円で前年同期比4・2%増。通期売上見込みの総計も7兆2178億円で3.3%増。

飲料関係のコカ・コーラボトラーズジャパンHDはコカ・コーラウエストとコカ・コーライーストが昨年4月に経営統合した。前年の母数はイーストの第1Qが含まれないため大幅増。しかし営業減益となった。

山崎製パンは増収減益。食品事業の売上高は4955億円で1.5%増。菓子パン、食パン、調理パンなどが増収した。しかし、物流費の増加に加え、神戸工場稼働に伴う一時費用の発生や減価償却費の負担増があったため、減益となった。

キユーピーは売り上げ、営業利益、経常利益とも過去最高。分野別では特にサラダ・惣菜事業が好調だった。調味料事業は海外が拡大。

〈食品産業新聞 2018年8月27日付より〉