経済効果1300億円に成長、大イベント“ハロウィン”に酒類業界も注力
日本記念日協会が昨年10月に発表した2017年のハロウィンの推計市場規模は、2016年比で3%減としながらも1,305億円となり、ここ10年程の短期間でクリスマスに次ぐ大きなイベントへと成長した。
酒類業界でもハロウィンに合わせて発売する商品が目立ってきており、ワインやリキュール、RTD(Ready to drink=サワー・チューハイ等の低アルコール飲料)ではもちろんの事、焼酎などでも関連商品の発表が相次いでいる。今年は10月31日が水曜日と平日ではあるが、年々盛り上がりを見せているイベントの為、大手から中小メーカーまで各社クリスマス並みに力を入れて商品展開を行っている。
そこで、本紙(酒類飲料日報)では各社9月3日までの発表を基にハロウィンでのパーティーでの飲用を想定した商品をまとめ、紹介する。
サントリーは秋季限定で発売するRTD商品でハロウィンを想定した商品を多数発売するほか、昨年「パンプキン」を発売した「カルーア」では、今年は「チリチョコレート」(700ml/1,480円・Alc.20%)を発売。同商品はコーヒーリキュール「カルーア」ならではの深くまろやかな風味に、唐辛子のピリッとした辛みとチョコレートの芳醇な甘みを加えた商品。辛さと甘さのバランスが生み出す意外なおいしさを楽しめる。
コーヒーリキュールに唐辛子の辛みとチョコレートの甘みを加えた「カルーア チリチョコレート」(サントリー)
キリンビールは「ドラフトギネス」で「ギネスグラス付ハロウィンパック」を数量限定で発売するほか、「カッシェロ・デロ・ディアブロ」から期間限定パッケージである「デビリッシュ・エディション カベルネ・ソーヴィニョン」(750ml/オープン価格・Alc.13.5%)を発売。パッケージには印象的な悪魔のアイコンと炎をボトルにあしらい、ハロウィンと親和性が高い「悪魔の蔵の伝説」を持つ同商品の拡売を図る。
悪魔のアイコンと炎をボトルにあしらった赤ワイン「デビリッシュ・エディション カベルネ・ソーヴィニョン」(キリンビール)
アサヒビールはRTD商品「カクテルパートナー」から「ハロウィンラムオレンジ」と「ハロウィンメロンバニラ」(両商品350ml/141円)を発売。
「ラムオレンジ」はオレンジ果汁を使用して、ラムベースで仕上げた楽しく爽やかなオリジナルカクテル、「メロンバニラ」はメロン果汁とバニラの香りを組み合わせたスイートな味わいで、懐かしさとワクワク感を一緒に感じられるオリジナルカクテル。いずれもパッケージには、ブランド名をカクテルの歴史や奥深さを想起させるレトロなネオン看板風にデザイン。また、ハロウィンの世界観を表したイラストの中に各フレーバーのグラスを溶け込ませることで、ハロウィンパーティーなどで飲みたくなる気持ちを高めることを目指した。
「カクテルパートナー ハロウィンラムオレンジ」と「同 ハロウィンメロンバニラ」(アサヒビール)
サッポロビールは9月19日からビール類、RTD、ワインとカテゴリーを横断して幅広く発売。「黒ラベル」「麦とホップ」「ホワイトベルグ」「LEVEL9」「男梅サワー」では6缶パックの包装をハロウィン仕様とした他、「ヱビス 華みやび」ではかぼちゃの絵をあしらったデザイン缶を発売。
かぼちゃの絵をあしらったデザイン缶の「ヱビス 華みやび」(サッポロビール)
焼酎でもハロウィン向けの商品が発売される予定となっており、佐賀県の光武酒造場ではハロウィン仕様の包装を用いた「魔界への誘い」を発売するほか、かぼちゃを模したオレンジ色のボトルを採用した芋焼酎「ハロウィン 魔界への誘い」(720ml/2,250円)を発売。メルシャンの「カッシェロ・デロ・ディアブロ」同様にハロウィンとの親和性の高い「魔界への誘い」で焼酎をアピールする。
この先も10月31日に向けて、各社がハロウィン向けの商品やサービス、イベントを多く発表すると見られるため、各社の動向を注視していきたい。
〈酒類飲料日報 2018年9月5日付より〉