横浜赤レンガ倉庫で「カンパイ展2019」、聖獣麒麟と触れ合い体験/キリンHD
「キリンブランドと横浜は大変深い関係にある。また、現代のトレンドは、特に若年層はSNSなどのコミュニケーションの選択肢が増え、酒類や飲料の嗜好も多様化している。老舗のイメージだが親しみをもってもらいたい」(同社)。
“知って、見つけて、さわって、楽しめる”さまざまなコンセプトの空間と、ドリンクスペースで構成される。入口で配布される「カンパイ帳」を持って、スタンプラリーのように各エリアを回り、写真を撮ったり、展示に触れたり、飲んだりしながらキリンの歴史や文化に触れてもらう。ドリンクスペースには、テーブルを囲む人数によって演出が変わる「インタラクティブ・テーブル」を用意しており、新しい“カンパイ”体験を楽しめるような仕掛けを施した。
壁に描かれたイラストが指先などに反応、プロジェクションや音の仕掛けを楽しめる「インタラクティブ・ウォール」
初日の6月24日には同会場で内覧会を開催。常務執行役員ブランド戦略部長の坪井純子氏は「今年は昨年に比べて会期を2倍にし、70日間とした。来場者は昨年の3万人から2倍以上の7万人を見込んでいる。私は赤レンガ倉庫の社長を2年務めていた。キリンラガーは131年前、商品のラベルに中国で喜びを運んでくるとされる聖獣麒麟を採用した。キリングループは酒類から医薬品、食品まで網羅するが、聖獣麒麟をグループのCIにしていきたい。歴史とDNAであり、未来をつなぐものだ。現在、企業は“共感してもらう”ということが大変重要になっている。デジタルな時代だからこそ、リアルを体験して頂きたい。今はSNSなどの発達で“カンパイも一人ひとりに合ったものが求められる」と開催趣旨を説明した。
また近年のクラフトビール人気に触れて「約130年前に様々な西洋文化が入り込むなかで、その一つにビール産業が生まれた。当初は、クラフトのようだったのではと推測している。当初、山手に工場があり、今は生麦に移転しているが、そこにはイノベーションファクトリーが設置され、ここでクラフトを生産している。クラフトは未来であるが、原初でもあったといえる」と述べた。
横浜市文化観光局横浜魅力づくり室長の小林仁氏は「市では観光に力を入れており、平成30年度は26年度に比べて1,000億円近い3,688億円の予算としている。市外から来て頂く戦略だ。キリングループとは、一緒に盛り上げてきており、感謝している。キリンは一貫して横浜を大切にしてきた企業。ピア象の鼻を出発してキリンビール横浜工場見学に行けるクルーズなど、横浜にピッタリの企画だ。9月からのラグビーワールドカップでは日本では、唯一横浜工場のみで生産されているハイネケンが味わえる。横浜はクラフトビールの集積地でもある。ぜひ、はしごして欲しい」とあいさつした。
聖獣麒麟のヒミツを釣り上げることができる「Good Luck!の泉」
展示内容は▽洋館をイメージした不思議な空間。アイスクリーム、ナポリタンなど、横浜発祥のものを紹介▽たくさんの歴史的なキリン商品を展示、記憶にある商品にステッカーを貼るなどのインタラクティブ▽聖獣麒麟の公園。ある地点からは聖獣が見える▽キリンの130年分の歴史を描いたウォールに手を触れると、絵が動いたり、音が奏でられる▽カンパイホールでは、カンパイ帳やカップをテーブルに置くと、幸せを運ぶ聖獣が現れる――など。
横浜市文化観光局横浜魅力づくり室長・小林仁氏、横浜観光親善大使・渡部結郁子さん、キリンHD常務・坪井純子氏
〈酒類飲料日報 2019年6月25日付〉