消費増税前の買い置き、酒好きの人の5割が「いつもより余計に購入」/酒文化研究所アンケート
次に「買う」「たぶん買う」「どちらとも言えない」と答えた人に、具体的に購入すると思うお酒を聞いた。トップは「ビール」の42%、2位に「700ml・750mlのウイスキー」(33%)、3位が「新ジャンル・発泡酒」(28%)、そして「大きなサイズの焼酎」(24%)。「これらはふだん飲んでいるものを多めに買っておこうや、いずれ飲むものだから保管しやすく日持ちするものを買っておこうという気持ちからの消費だろう」とみる。
そのほか5位以下にランクされた「高価な日本酒」(21%)、「プレミアムビール」(19%)、「高価なワイン」(17%)は「特別な時の酒を値上り前にプラスオンして買っておくという、プチ贅沢感を楽しむ消費の表れと思われる」と分析。
すべての人に増税前に買っておくかもしれないお酒を、別の切り口から聞いたところ、すでに見たように「ふだん飲んでいるものを多めに買っておく」や「ウイスキーや焼酎など日付を気にしない酒」が上位に並ぶが、「前から欲しかったお酒をこの機会に買う」が26%、「季節限定のお酒を買っておく」(10%)、「シャンパンなどクリスマス用の酒」(9%)など「提案次第で年内の行事で飲む分まで購入する人が十分に出そうだ」とみる。
酒の購入でのキャッシュレス決済の利用意向を聞いたところ、もっとも多かったのは「すでにほとんどキャッシュレス決済」が30%。「時々キャッシュレス決済だが10月以降は増える」は20%、「ほとんどが現金だが10月からキャッシュレス決済を利用」が16%と、キャッシュレス決済の利用は着実に進みそうだ。「10月以降も現金で買う」とした人は20%しかいなかった。
また、「ポイント還元率の高い店を選ぶ」という回答は10%と限定的で、還元率の高低が酒を購入する店を左右することはほとんどないとみる。
〈外飲み・家飲みの増減は「増税後も変わらない」が7割超〉
今回の消費増税では酒類の増税率は外食と同じ10%になる。ただし自宅で飲んだ場合には食べ物は消費税が8%に抑えられることになり、そのため家飲みにシフトが進むという見方があるが、アンケートでは「増税後も外飲みも家飲みも変わらない」が7割を超え、圧倒的な多数となった。
〈酒類飲料日報 2019年9月24日付〉