サッポロHDがエバラ食品工業・JPRと共同輸送を開始、岡山エリアと大分・福岡エリア間で輸送効率化

今回の取り組みの運行ルート
サッポロホールディングスは12月11日、エバラ食品工業、日本パレットレンタル(JPR)との3社共同で、岡山エリアと大分・福岡エリア間の共同輸送を開始した。

3社はそれぞれ片道の輸送を各社で手配し製品を輸送していたが、昨今の少子高齢化、トラックドライバー不足から岡山エリアと大分・福岡エリア間500km以上の片道の運行をそれぞれで確保することが困難になると予想されるため、3社で協業しラウンド運行により地方の幹線輸送の安定確保を図る。ラウンド運行とは、複数の輸送ルートを組み合わせて空車区間を減らし、当該区間内の輸送を効率化する手段のこと。

岡山エリアと大分・福岡エリア間では海上や鉄道へのモーダルシフトが難しく、現実的にはトラック輸送が大半の輸送手段となる。しかし、安定した物量がないため、
〈1〉帰りが空荷になる
〈2〉帰り荷の確保のため大阪エリアなど荷量の多いエリアに移動する必要がある
〈3〉帰り荷が出るまで数日のタイムラグが生じる
――などの問題から「輸送の効率化」が課題だった。

2019年7月からのテスト期間では、大分から岡山そして福岡に戻るルートを3日でラウンド運行し、行き荷・帰り荷ともに固定化させることで実車率99%以上を実現。これにより、個社単位での輸送時より、全体でCO2排出量を約15.2t 低減させた。今回の取り組みにより、輸送の効率化を最大化するとともに、環境負荷低減を実現する。

〈酒類飲料日報 2019年12月12日付〉