カクヤス2020年3月期、売上高前期比0.1%減、経常利益30.3%減
カクヤスは5月13日、2020年3月期連結業績を公表した。売上高は前期比0.1%減の1,085億6,200万円、営業利益は29.2%減の12億5,900万円、経常利益は30.3%減の12億5,900万円、当期純利益は31.2%減の5億1,300万円となった。
売上区分別の売上状況は、構成比が「業務用」70.8%、「宅配」14.8%、「POS」14.1%、「卸その他」0.3%となった。セグメントは酒類販売事業の単一セグメント。通期の業績と前期実績値との差異については、「2月からの新型コロナウイルス感染症の拡大ならびに自粛等の感染拡大防止策の実施に伴い、売上高の見込が減少した影響により、経費削減等に取り組んだものの人件費及び外形標準課税等の固定費を吸収できず前年実績を下回った」としている。
「業務用」の売上高は、0.7%減の768億6,100万円となった。顧客数は、新規顧客の獲得件数の増加などにより前年同期の実績を上回って推移した。客単価は、2月から3月にかけての料飲店、ホテル等の自粛や休業が相次いだことで注文量が大幅に減少し、前年同期の実績を下回った。商品群では、ハイボール市場の需要が高まっているウイスキーが、国産ウイスキーの原材料不足による生産量が減少しているものの、輸入ウイスキーでカバーすることにより引き続き伸張している。また高価格帯を中心としたスパークリングワインが伸長した。
「宅配」の売上高は、0.1%減の160億円となった。消費税率引き上げ前の駆け込み需要の取り込みや、また2月からの新型コロナウイルスの感染拡大防止策の実施に伴う在宅勤務や外出自粛による家庭内消費の増加に伴い配達体制の確保に努めたことで顧客数は前年同期を上回った。客単価は、6月から7月にわたる天候不順により飲料需要が伸び悩んだことや、消費税率の引き上げ後の反動、また3月における花見や納会等の自粛の影響により前年同期を下回った。
「POS」の売上高は、1.5%増の152億円となった。消費税率の引き上げ後の反動や10月の台風19号による関東全店休業などの影響はあったものの、2月からの新型コロナウイルスの感染拡大防止策の実施に伴う在宅勤務や外出自粛による巣ごもり消費の影響から顧客数は前年同期を上回った。客単価は、値ごろ感のあるワインや高額な国産ウイスキーを中心に販売が好調で前年同期と同推移となった。
今後の見通しについては、「現状国内においても新型コロナウイルス感染者数は増加し、終息時期を見通すことは難しく、酒類を提供している料飲店等においても、営業時間の短縮や休業を余儀なくされている状況が続き、平時の状況まで回復する見通しを立てることが、非常に困難な状況となっている」とし、「未定」としている。
〈酒類飲料日報2020年5月14日付〉