「オリオン ドラフト」一新、沖縄県産大麦使用、“沖縄クラフト”へ/オリオンビール
早瀬京鋳社長=昨年7月の着任以来、当社は沖縄のために何ができるか、を常に考え、首里城の復興貢献などに取り組んできた。3月には中期経営計画を発表し、社会貢献にも積極的に取り組むとした。そういったなか、人類未曽有の危機といえるコロナ感染が起こった。そして、改めてオリオン社員一同、沖縄のために何ができるかを考えてきた。人を場を、世界を笑顔にするというオリオンビールの役割のために、もう一度製品を見直した。その答えが基幹製品であるオリオンドラフトの5年ぶりの全面刷新だ。本当の意味での沖縄のクラフトビールを造りたい。名護で製造し、やんばるの水を使っているとしても、その中身は本当に沖縄クラフトと呼べるか。もう一度、そこをチャレンジしたいと考えた。
県産素材として新たに、伊江島産の大麦を新たに採用した。これにより、コクがありかつ後味スッキリで余韻のあるビールができた。
ブランドマネジメント課・吉田直樹課長=1959年の創業から61年目。つねに沖縄に合うテイストを目指して改良を続けてきた。今回、史上初の“沖縄クラフト”と呼べるものに進化する。沖縄の風土に合う「飲みやすいスッキリした味」で県民のビールとなった「ドラフト」は、更にビールらしい旨味をプラスする。名称も「ザ・ドラフト」としたが、これぞ沖縄の定番中の定番だという我々の自信と誇りを表したものだ。
大麦の肥料には製造過程で発生するビール粕を使用、循環型社会への貢献も目指す。ホップはファインアロマホップを採用した。また、これまでのドラフトに比べて1.2倍の長期熟成を取ることで、雑味のない旨味と熟成した味わいを実現した。パッケージは、既存デザインを継承しつつ、品質感・上質感を高めた。薄金色とし、「OKINAWA’S CRAFT」「沖縄県伊江島産大麦使用」と前面に銘打った。
9日から沖縄県内で放映されるテレビCMは、宮沢和史さんにより、今回のために収録された「島唄/宮沢和史 for ORIONBEER THE DRAFT」を使用。発売1カ月で3,000GRP、その後2カ月で5,000GRPを投入する――。
動画では最後に、伊江島の生産農家も登場し「古くから小麦・大麦を生産しているが、戦後は絶えていた。しかし、5、6年前から再び栽培を開始し、質の高い麦を生産できている。今回、オリオンビールの新しいビールに使用されるということで県民として光栄だ」など話した。
〈酒類飲料日報2020年6月5日付〉