糖質ゼロ「パーフェクトサントリービール」発売へ、妥協のないおいしさを追求/サントリー

「パーフェクトサントリービール」
サントリービールは2月24日、4月13日に発売する「パーフェクトサントリービール」の発表会を開催、マーケティング本部の宮下弘至課長が説明した。宮下課長は、「先行する商品に対して、2番煎じでお茶を濁すつもりは一切ない。糖質ゼロの訴求がメインではなく、アルコール5.5%のビール類のど真ん中に挑戦する。世界を相手にしてもパーフェクトと言ってよい」と力強く宣言した。販売計画は4〜12月累計で230万ケース。1〜12月換算で300万ケースとした。発売前からTVCMはじめ大々的なコミュニケーションを実施する。
サントリービール 宮下課長

サントリービール 宮下課長

 
サントリービールは「アルコール5.5%の飲みごたえ、麦芽由来のうまみ、ホップの良質な苦みといった“ビールど真ん中のおいしさ”と、“糖質ゼロ”という機能を両立させた」としている。

開発の歴史を振り返って「本当においしい糖質ゼロビールができるまで妥協しない、という強い志をもって、5年にわたって研究開発してきた。2016年に技術開発をスタートし、2017年から中味開発をスタートした。2019年6月には一部業務店で樽容器の糖質ゼロビールをテスト販売した。香味の部分と、アルコール度数の落としどころを探るためだった。10数店舗の料飲店で樽生を試してもらい、醸造家も参加して、お客様からヒアリングやアンケートを行った」と述べた。
 
2020年5月には、一般的な機能系ビール類はアルコール4%前後だが「麦芽比率50%以上・アルコール度数4.5%以上・糖質0.5g以下/100mlのビール」という範囲で、特許庁から特許も取得した。
 
開発の根幹にある想いは「もはやビールの起源にまで遡った。もともとピラミッド建設に従事した人々が、労働の対価として、日々の活力として受け取ったのがビール。“ビールの時間だけは、最高の時間を提供したい”というのが根幹だが、現在のビールの課題は“健康が気になって、おいしいビールを飲むことを心の底から楽しめない人が増えているのではないか?”ということだ。目指したものは“何も我慢せず、飲んで楽しめる、最高においしく、開放的なビールをつくろう”ということ」と説明した。
 
環境としては「酒税改正によるビールへの追い風と、コロナ下の健康意識の高まりがある。まさに今が発売のチャンスであり、これからの時代のスタンダードカテゴリーになるポテンシャルがある」とした。
 
市場ポテンシャルについて「2020年のビール類缶容器総市場を約2億8,100万ケースとする。うち機能系の飲用意向がある層が約1億8,000万ケース、うち既存の機能系銘柄に満足している層が約2,200万ケース。つまり、この約1億6,000万ケースの差が、潜在的な市場だ」とした。
 
商品のおいしさ特性については「最初にビールならではの刺激を感じ、次にビールらしい飲みごたえが続き、最後に糖質がないことによる爽快さが押し寄せる」とした。
 
製法については「ザ・プレミアム・モルツと同マスターズドリームで培ってきた醸造技術を結集した。プレモルのダイヤモンド麦芽を一部使用し、マスターズドリームのトリプルデコクション製法で力強い飲みごたえを引き出した」とし、糖質ゼロの実現には「仕込みの工程で、糖質のもととなる麦芽中のでんぷんを分解するとともに、発酵の工程では、糖質がゼロになるまでじっくりと発酵させながらアルコール5.5%を実現した。液色の濃さの比較でもその品質が分かる」と紹介した。
 
バイヤー・お客様による中味評価は「糖質0を抜きにしても、ビールとしてちゃんと満足できる中味」という評価という。
 
最後に「サントリーは先行するブランドの戦いのど真ん中でプレモルという高級ビール市場を確立し、ノンアルビールは2019年に、からだを想うオールフリーで、機能系ノンアル市場を確立した。新しいカテゴリー形成には常にサントリーがある」と自信をみせた。
 
〈酒類飲料日報2021年2月25日付〉