アコレード・ワインズ・ジャパン 認知向上は「喫緊の課題」、新規開拓や商談の準備を着々と/新社長・木原洋和氏インタビュー

アコレード・ワインズ・ジャパン新社長・木原洋和氏
アコレード・ワインズ・ジャパンの新社長に1月1日、木原洋和氏が就任した。同社は2019年末でワインの直接販売を取りやめ、2020年からアコレード・ワインズの保有するブランドのサプライヤーとなった。木原氏に、今後の取り組みや抱負を聞いた。

――ビジネスモデル変更と同じタイミングで、コロナ禍が広がりました

私の社長就任は今年だが、会社としてこの2年間、なかなか思うように活動ができていない状況だ。本来ならブランドオーナーとして、またサプライヤーとして、セールスサポートやマーケティングの役割を担うべきところ、対面での打ち合わせも難しく、ブランドを紹介する機会も作れない。既存ブランドの展開強化はもちろん、新規インポーターの開拓や新ブランドの導入などがなかなか進められないでいる。

――日本で展開するブランドの概要は

本社では、グローバルブランドとリージョナルブランドをあわせて50以上展開している。グローバルブランドで日本に導入できているのは、2割程度。現在展開する主要ブランドは、「ハーディーズ」「バンロック・ステーション」「グラント・バージ」などだが、日本に導入したい魅力的なブランドはたくさんある。

――御社の強みは

生産国は世界中におよび、ボリュームゾーンからプレミアムブランドまで、どんなニーズにも応えられるポートフォリオがある。サステイナブルな取り組みに注力する生産者も多く、エシカル消費にも十分対応できる。また、缶ワインはもちろん、軽量で省スペースなフラットPETボトルなど容器革新にも積極的だ。

ノン・ローアルコールワインカテゴリーなど、今後確実に伸長する市場に投入できる商材もある。グローバルなワイン市場の潮流に合致した多彩な商材を、日本にもぜひ紹介したい。

〈市場の潮流にマッチした画期的なブランドの導入を加速、課題は認知向上〉
――日本のワイン市場の課題は

これまではソムリエやワインエキスパートがワイン文化を広げ、根付かせてきた部分が大きかったように思う。一方で、ワインが選べない、アペラシオンや品種、テロワールなどを勉強しないとワインは楽しめないと思われる方もまだ多い。たとえば、「おいしい赤」「ちょっと辛口」「ちょっと甘口」みたいな切り口のほうが、ワインを選びやすくなるのではないか。

イギリスで爆発的に売れている「ジャムシェッド」(日本未輸入)は、ただシンプルに、「うまいワイン」として展開。ジューシーで親しみやすく、飲みごたえある味わいで成功を収めている。また、オンザロックからホットワインまで、楽しみ方の幅も広く、日本にもぜひ導入したいブランドだ。

――国際物流混乱の影響は

オーストラリアではパレットより物流効率の良い「スリップシート」が普及しており、出荷におけるダメージはほとんどなかった。日本までの海上輸送の混乱は深刻だが、今のところ大きな問題にはなっていない。

――今後の展開・課題は

新規開拓や商談ができない状況が長く続いているが、自由に動けるようになる日まで、着々と準備を進めたい。

一方で、まだ当社がアコレード・ワインズの日本法人であることをご存じない方も多い。ワイン業界の中での認知を上げることも喫緊の課題と考える。コロナ禍が落ち着いたら、インポーターの皆さんを現地ワイナリーにお連れして、アコレードが誇るポートフォリオのポテンシャルをご覧いただきたい。

〈酒類飲料日報2022年2月10日付〉