新潟大学 「小規模仕込み設備」設置のためのクラウドファンディング実施、学生に「リアルな酒造体験」を提供するための設備導入

設置する「小規模仕込み設備」の小型プラント(イメージ)
新潟大学日本酒学センターは2月17日から、クラウドファンディングのREADYFORで「新潟大学から日本酒研究の世界的拠点を生む|日本酒学プロジェクト」をスタートさせた。

目標額は600万円で形式はAll or Nothing(目標金額に達した場合のみ資金を調達できる)形式。リターンは日本酒の試飲アンケートやオリジナルのおちょこが用意されているほか、「日本酒学」の講座や「日本酒学ツーリズム」の参加権も用意されている。 

同プロジェクトで得た資金で調達するのは、日本酒醸造用の小型プラント(20Lタンク×2本と温度管理システム)などで、同センターによると「従来の実験室レベルでの試験醸造から、少し規模の大きな酒造りを行うことができ、日本酒の未来を担う学生たちが、よりリアルな酒造りの一連のプロセスを体験できる環境を整える」としている。 

〈日本酒研究の新たな拠点の確立目指す〉
プロジェクト開始日である2月17日には、オンラインで発表記者会見を実施。同センターの鈴木一史センター長がプロジェクトの概要を紹介したのち、今回のプロジェクトの目的と目標を説明した。 

鈴木センター長によると、現在同大学には「実験室レベル」の醸造設備しかなく、学生にリアルな酒造りの場を提供できないでいる。そこでクラウドファンディングにより20Lの小規模仕込みができるタンクと温度管理システムを調達し、学生がリアルな酒造りを体験できる環境を整える。更に小型プラントを活用することで、日本酒の地域性(水・米・醸造微生物・発酵管理技術等)に関する研究も可能となる。 

鈴木センター長は「小型プラントの導入により可能となる日本酒づくり体験が“環境と共生した日本酒づくり”といった豊かな未来社会と日本酒醸造とを関連づけた研究として、日本酒業界の明るい未来につながる基盤研究にできたらと思う」と今回のプロジェクトについて話し、さらには、「日本酒学センターは地域や社会・世界に開かれたセンターとなり、産官学民が一体となった、これまでに類を見ない日本酒研究の新たな世界的拠点として、その地位を確立していきたいと思っている」と今後の展望を明かした。 

なお、タンクは清酒の製造免許を取得している新潟県醸造試験場に設置される。

◆クラウドファンディングREADYFOR「新潟大学から日本酒研究の世界的拠点を生む|日本酒学プロジェクト」ページ

〈酒類飲料日報2022年2月18日付〉