ビール4社の15年販売計画出揃う、合計で新ジャンルは初のマイナスに
ビール4社の2015年の販売計画が出揃った。4社とも前年比プラスを掲げた。各社、予算を達成すれば、総市場は前年実績比で0.9%のプラスとなる。しかし、4社とも総需要は1~2%程度減ると見込んでいる。
ビール4社計の計画では総市場はビール101.3%、発泡酒103.5%、新ジャンル99.2%となった。新ジャンルが2003年に登場して以来、初めて新ジャンルの計画が前年を下回った。一方、サントリーが再参入した発泡酒は、4社が出揃ったプリン体ゼロ・糖質ゼロの商品もあり、8年ぶりにプラスの計画となった。
タイムスケジュールはまだ決まっていないが、中期的に、酒税がビール類一本化(ビール減税)の改正の流れにあることから、各社、ビールに注力する考えだ。特に近年、手づくり感のあるクラフトビールがじわじわと人気を得ていることから、各社、手法は違うがクラフトビールのマーケティングを実施する。アサヒビールは引き続き「スーパードライ」ブランド全体で「限界なき挑戦」をテーマとする。「ドライプレミアム」のコクの限定品を春先に限定発売する。キリンビールは「一番搾り」から「とれたてホップ」「スタウト」を除けば、フルチャネルでの初のエクステンションとなる、小麦のうまみの効いた新商品を発売する。サントリーはエールタイプの「ザ・プレミアム・モルツ」を通年発売し、「スーパープレミアムクラス」も投入する。サッポロビールは、クラフトビール事業を行う子会社を設立し、新しい事業構築を図る。
ボリューム的には、第1四半期は、2014年4月の増税前の買い置き需要の反動で、各社ともマイナスは必至。「第2四半期も入れたところで見てもらう必要がある」(メーカー幹部)。今年は、RTDやワインなど、他酒類との競合も激しくなるが、各社ともビール類の需要創造に力を入れることは共通しており、斬新なアイデアの提案に期待がかかる。