2014年のRTD市場は前年比約7%増、高アルコール系が更に伸長
2014年のRTD市場は前年比約7%増の1億3,800万c/s(250ml×24本)となった。8年連続の伸長で、2007年と比較すると約4割拡大している。近年では、ビール類飲用者が併飲する機会も増えている。本紙の推計によると、14年は、前年をクリアできなかったのは増税仮需要の反動があった4月の3%減のみで、他の月は軒並みプラスだった。12月単月も1割強のプラスだったとみられる。
特に、手頃な価格でしっかり酔え、飲み応えのある高アルコール系(アルコール7度以上)が伸長している。このカテゴリーは市場の7%増を上回る2ケタ増になったとみられ、市場で3割超のシェアを占める。「-196℃ストロングゼロ」は11%増の高い伸び率となった。「氷結ストロング」も、約2割の増加となった。「タカラ焼酎ハイボール」も12%増となった。
14年の大きなトピックとしても、ストロング系の新商品「ビターズ」のヒットがあげられる。ビターリキュールを使って、新たな味覚とする「ほろ苦さ」を打ち出し、それまで缶チューハイの主な潜在的不満とされた「甘さが強い」「食事に合わない」などの意見に応えた。年間販売予定数約300万c/sを突破して約333万c/sで着地した。
今年はアルコール1度という新カテゴリー商品も登場する。また「昨今の健康意識の高まりにより、ビール類で機能系商品が注目を浴びたが、今年はRTDにも機能系の波がやってくると予想される」(キリンビール)。近年、ヒットしている商品はいずれも綿密なマーケティングを先読みしたもので、今後も各社、積極的な商品開発を行うものとみられる。