キリンの15年RTD、前年比11.0%を計画、新カテゴリー創造へ
キリンビールは28日、2015年RTD戦略発表会を開催した。RTD計で前年比11.0%増の意欲的な計画を立てた。「氷結」「本搾り」「ビターズ」を3本柱としつつ、新ブランド「バタフライ」などでプラスオンしていく考え。14年は既存品の好調に加えて「ビターズ」がヒットし、市場平均を大きく上回る15.6%増となった。
マーケティング部のRTDカテゴリー戦略担当マネジャーの田中浩平氏(写真中央)が説明した。市場動向について「14年は前年比7%増の1億3,000万c/s(6L換算)とみられる。15年も4~5%伸びるだろう。その根拠としては、当社調べで、ビール類ユーザーが一本目からRTDを飲む頻度が“増えた13.2%、やや増えた26.8%、変わらない57.9%”で、増えた計が約4割いる。また、20代男女の最も好きなお酒は07年はRTD11%だったが、14年は18%に上昇している。若年層がRTDを好む理由は▽お酒は甘みがある方が好き▽ブランドよりもフレーバーを優先して選ぶ▽アルコール度数の低いものを選ぶ–という3点が大きい」と分析した。
そのうえで15年の方針として「氷結スタンダードでは、新規性の高い限定フレーバー、ZEROでは2月のリニューアルで果汁量をアップし、ストロングは4月に果汁量アップかつプリン体ゼロも訴求する。また夏だけのRTDの楽しみ方提案を準備している。次に本搾りだが、1月にリニューアル、季節感にこだわった期間限定品も発売する。広告は大沢たかおさんを継続起用し、“逆さ缶”をユニークに訴求する。ビター
ズは、続々と期間限定商品を発売する。ブランドからの新しい提案により、ユーザーを拡大し、ビールにかわるチューハイという確固たるポジションを築く。3月17日にアルコール4%の新シリーズであるビターズ・クワトロを発売し、ユーザーやシーンを拡大し、ビターチューハイカテゴリーを創造する」とした。
そして新提案として「ALCOHOL FOR NEW GENERATION(お酒を新しい世代へ)」を掲げ、新商品「バタフライ」を3月10日に発売する(別記事参照)。現代の若者のお酒に対する価値観や生活スタイルを反映させる。アルコール度数を1%に抑え、容量を飲みきりサイズの250mlにした商品。同社が実施した調査によると、20代の男女9割以上が「お酒を飲むことが好き」と回答しているが、他の年代と比較するとお酒を飲む頻度が低い。その理由として「忙しくて飲む時間がない」「翌日の仕事が気になる」「酔うと趣味が楽しめなくなる」などの意見が多く見受けられた。また、「容量が多くて飲みきれない」「アルコール度数が高い」など、日常の中でお酒を“がっつり”と飲むことに抵抗を感じている人がいることが分かった。