14社増収、海外が好調 食品メーカー19社の12月期決算
ビールーメーカー4社を含む主要食品メーカー19社の14年12月期決算(一部11月)が出揃った。連結売上は前年比較ができる18社中14社が増収、減収は4社と前年度より増収が1社増えた。しかし営業利益は減収が前年度より1社増、増益は2社減と厳しさが見える。また国内売上は実質2%台程度のとどまったようだ。ビール大手4社はキリンHDが減収となったが3社が増収。またサントリーHDが初めて売上高トップに立った。山崎製パンとキユーピーは過去最高の売上となった。
12月期決算の主なメーカー19社のうち、キリンHD、コカ・コーラウエスト、オエノンHDなど4社が減収となったが、それ以外は増収(カゴメも同期比では微増)。
単純に売上高を合計すると11兆1284億円となり、前年比7・6%増(一部連結子会社の2重カウントがある)。しかし大手の海外事業が押し上げた面が無視できない。
本紙内の表では上位10社中、国内中心の山崎製パン、コカ・コーラボトラー2社、サントリーHDの子会社サントリー食品を除く6社の国内外別の売上げと伸び率を示した。6社の国内売上は3%増が最高で減収もある。国内中心3社も山崎製パンが2%台、コカ・コーラボトラー2社も実質減収。こうしたことを考慮すると、12月期決算のメーカーの国内売上は2%台の伸びにとどまったのではないか。
消費増税で消費の冷え込みが心配されたが、海外事業の好調さでカモフラージュされただけで、実際にはその通りの展開になった。売上増の一部には製品値上げも含まれることから、実質は数字以上の厳しさがあることも示唆される。
一方、営業利益の増益は前年の9社から7社に減少、減益は9社から10社に増加した。営業赤字も1社。特に下位メーカーに厳しさがみられる。
各社の状況をみていく。キリンHDは日本綜合飲料事業におけるビール類と清涼飲料の販売数量が減少したほか、キリン協和フーズが第3四半期から連結対象外になったことなどで減収した。サントリーHDは5月にビームサントリーが誕生したことで、初の売上高トップとなった。国内事業は2%台の成長を確保、国際事業は欧州・アジア・オセアニアの各エリアで重点ブランドを強化し、事業規模が拡大した。
アサヒグループHDは売上高が全事業で増収を達成し、3期連続の過去最高を更新した。営業利益も全事業で増益。サッポロHDは国内酒類事業はビール類、その他酒類全分野で前期を上回った(数量ベース)。コカ・コーラボトラーのイーストは4社合併により、大幅増収。しかし、イースト、ウエストの2社とも夏季の天候不順もあって実質売上はやや減少した。
山崎製パンは食パン、菓子パン、和菓子などが好調で増収減益。売上は過去最高。キユーピーも過去最高の売上。加工食品(ジャム、など)以外の分野がいずれも増収、東アジアなど海外事業も大きく伸びた。