14年の世界のビール生産量は0.5%減、30年ぶりマイナス-キリン調査

キリンは世界各国のビール協会などに対して独自に実施したアンケート調査と最新の海外資料に基づき、計171の世界主要国と各地域について、2014年のビール生産量をまとめた。

世界のビール生産量は、約1億9,100万kl(前年比0.5%減)で、1984年以来30年ぶりに前年を下回った。

地域別では、アジア(1.7%減、構成比33.9%)が6年連続トップ。ベトナム(9.0%増)、インド(0.5%増)が増加したが、中国(3.1%減)、タイ(3.2%減)の影響で減少した。5位のアフリカ(前年比5.2%増、構成比7.3%)は14年連続で増加。

国別では、中国(3.1%減)が13年連続でトップ。夏場の天候不順などの影響で2年ぶりのマイナスとなった。アメリカは0.2%増。若年層を中心にクラフトビールの飲用率が拡大したことにより、微増。米国のビール組合によると、アメリカではビール類におけるクラフトビールの販売構成比が11%となり、初めて1割を超えるなど、好調に推移している。続くブラジル(前年比5.0%増)は、サッカーワールドカップ開催により、増加。日本(前年比1.1%減)は昨年同様の7位。12年連続で順位に変動は無いものの、増税や最需要期である夏場の天候不順などの影響により減少した。また、上位10カ国では、14年ぶりにロシア(8.2%減)がメキシコ(前年比0.0%)を下回り、順位が入れ替わった。ロシアは、低迷する経済情勢や増税の影響により、昨年に引き続き大幅に減少した。

上位25カ国のうち、10年以上連続で増加している国は、ナイジェリア(16年連続)、ベトナム(14年連続)、インド(12年連続)の3カ国になった。オーストラリア(2.6%減)が3年ぶりに上位25カ国以内にランクインした。

2014年の世界のビール生産量を10年前と比較すると、約3,726万kl(24.2%増)の増加となった。