お店探訪 醸造所併設のブリューパブ「Marca Cafe & Beer Factory」
神谷みずき氏、釜の配置からサーバーの設計まですべて一人でデザイン
今年4月18日、大阪市西区の北堀江に、醸造設備を見ながらクラフトビールが飲める大阪初のブリューパブ「Marca Cafe & Beer Factory」がオープンした。周辺には設計事務所なども多く、感度の高いエリアとして知られる堀江への出店ということもあり、店舗の外観から内装まで非常にオシャレ。来店客は30代前後のいわゆるアラサー世代から40~50代の人が多く、98%は男性で、ほぼ一人客だという。釜の配置の仕方からサーバーの設計まで、すべて自分一人で行ったという神谷みずき氏に、設立に至る経緯から、製造面のこだわり、今後のビジョンについて話を聞いた。
元々モノをつくることが好きだったという神谷みずき氏。ブリューパブをオープンする前は自動車のスタイリングデザインを行っていた。設立の経緯については、「35歳までにやりたいことを全部やろうと思った。その中にビール屋になるというのがあった。元々ビールが好きで、車と異なり一人で完結できるビジネスを始めた」と振り返る。
当時はまだメーカーに勤めていたため、夏休みを利用して伊勢角屋麦酒(三重県伊勢市)で5日間の研修を受け、昨年11月から製造免許取得に向けた準備を進めた。仕事をしながら税務署に通い、今年4月に免許を取得し、すぐにオープン。5月末からは自社ビールの出荷を開始している。
神谷氏は、釜の配置の仕方からサーバーの設計までをすべて一人で行ったという。「車ではスタイリング工程の前後しかデザイナーとして関わることができない。すべて自分でデザインするにはメーカーを持つしかない。それがたまたまビールだった」と述べる。
ブリュワリーには280Lの発酵タンクを4本備えており、しっかり仕込めば月に4種類のビールの製造が可能だという。これまで造ったビールは15種類ほどあり、その中でもデビュー作の「ブラウンエール」や、「マンゴーホワイト」が特に好評だったという。
(続きは本紙で)