最終コーナーに向けて ビール4社の営業トップに聞く②アサヒビール・塩澤賢一常務取締役兼常務執行役員営業本部長
–3月に経営企画本部長から営業本部長に就任しました。
営業戦略部長を経て、経営企画本部長として2年間就任した。もちろん中長期的な経営企画の立案が柱だが、人事、研究生産、物流、社会環境まで幅広くカバーし、部門間調整する部署だ。社内全体を見渡すことができた。
–第3四半期(1~9月)を振り返っていかがですか。
総市場は各社が、ほぼ年初に予想していた1~2%のマイナスで推移している。ただし、最盛期の夏があまりよくなかったのは誤算だ。昨年は天候不順で7、8月のマイナス幅が大きかった。今年はその裏でプラスになると見込んでいたが若干の微減となった。8月上旬は猛暑だったが、お盆以降は急速に涼しくなった。近年、集中した酷暑はあるが、その前後の気温は低い、という年が続いている印象だ。
当社は年初から“コト消費”による需要喚起を大きく掲げて、商品開発・販促を行ってきたが、大きな手応えを感じている。「スーパードライ」は、花見の時期にピンク色のスペシャルパッケージ缶を提案したが、目標30万c/sの倍以上である62万c/sを販売した。秋には缶に紅葉をデザインした第2弾を発売し、12月22日にも雪をモチーフにした第3弾を発売する。これは大いに「スーパードライ」ブランドの強化につながった。そして超辛口の「スーパードライ エクストラシャープ」。これが好評で、春には108万c/s、秋の第2弾も好調で、トータルで153万c/sまできている。どちらも女性や若い方に興味を持ってもらえて「スーパードライ」にとって新規ユーザー獲得の入り口になったと思う。期待以上の効果があった。昨年以上に盛り上がったハロウィンもそうだが、“コト消費”を喚起して売場を活性化する取組が奏功した。