10月の酒類支出0.3%増で4カ月ぶりの増、ビールが0.5%増-家計調査

総務省統計局がまとめた家計調査によれば、10月の1世帯当たり(2人以上の世帯・農林漁家世帯含む)酒類消費支出額は0.3%増で、4カ月ぶりの増加となった。

10月はビールが大型商材の好調維持と季節限定商品でプラスとなっており、その動向を家計調査の数字でもみることができた。ビールは単価(1.0%安)が下がるも、数量(1.4%増)が伸びて、金額は0.5%増で、5月以来のプラスとなった。苦しんだ夏場から秋口は良好なスタートとなった。

もう一つ10月の大きなトピックスは、好調を続けていたウイスキーが3月以来の減少(0.8%減)だったことか。その代わりではないが、2ケタ増だったのがワインで単価(4.4%高)、数量(8.1%増)ともに伸ばして金額は12.5%増となった。3カ月連続の増加。

増加キープは、焼酎で単価(0.6%安)はやや下げたが、数量(3.4%増)が伸びて、金額(2.8%増)は増加した。年末にかけてこの調子を維持したいところ。和酒では清酒が単価(5.4%安)を大きく下げ、数量(0.2%減)も伸びず金額(5.4%減)を落としている。東京は25.0%増と金額を伸ばしているので、地方の消費が伸びなかったとみるべきか。単価が下がっていることを思うと、地方ではレギュラー酒に戻った動きともとれなくはない。同じ和酒の焼酎が単価を維持しながら数量で巻き返しているところをみると、清酒は構造変化が顕著で、そこにどう対応するかが、依然迫られているとみるべきか。

飲料は全体で5.9%増。茶類(6.8%増)が3カ月連続の増加、ジュース類(3.1%増)もよくて、全体が大きく伸びた。コーヒーは引き続き2ケタ増。

なお、全国平均の1世帯当たり消費支出合計は実質前年比2.4%減で、2カ月連続の減少。食料計は0.8%増で4カ月連続の増加。外食は東京が増加、大阪の減少が続き、飲酒代は東西ともに大きく増加している。