11月の清酒出荷は2.7%減、吟醸は8.1%増、1~11月全体は1.5%減

日本酒造組合中央会がまとめた2015年11月の清酒出荷数量は前年同期比2.7%減の6万792klとなった。需要期となって2カ月連続のマイナス。1~11月計では1.5%減となり、年全体の15%以上を占める12月も現状では大きな回復は聞こえてこず、2015年はマイナスでの着地を予想する声が太宗を占める。

11月のマイナス要因は一般酒(5.0%減)、本醸造酒(5.1%減)の落ち込みで、吟醸酒(8.1%増)、純米酒(4.5%増)は堅調な動き。この1~2年は特に顕著なこの傾向が1~11月でも同様で、吟醸酒(11.6%増)は実に2ケタ増で、純米酒は4.3%増。吟醸酒は前年(1~12月で7.4%増)果たせなかった通年での2ケタ増を達成できるか注目される。

11月単月の主産地は、プラスはわずかに新潟(0.5%増)、愛知(1.8%増)だけ。他は減少で、東北は全県マイナス、一般酒(10.6%減)の2ケタ減が響いた。京都(2.0%減)、兵庫(2.6%減)も、一般酒が2~3%の減少、本醸造はそれ以上の減少になっている。プラスとなった新潟が一般酒(3.8%増)を伸ばしたのとは対照的。ただ、その新潟の一般酒も前年11月7.6%減の裏だから素直に喜べない。同じ5%以上の減少からさらに減った京都、兵庫よりは踏みとどまった形。

残りの12月がどういう形になって、1年が着地するか。新年は経済酒の減少、吟醸・純米系の伸長がどこまで進展するかも、さらにその先を占う意味で重要だろう。