低アル市場 9%増、8年連続のプラス
▽初の1.5億ケースを突破
本紙が推定した2015年の低アルコール飲料(RTD)総市場(業務用チューハイ・ハイボール、ハイボール缶含む)は、前年比9%増の1億5500万c/s(250ml×24本換算)で、初めて1・5億c/sを突破した。8年連続のプラスになる。上位4社(サントリー、キリンビール、アサヒビール、宝酒造)ともプラスとなった。
RTDには、「カロリーオフ」「糖質ゼロ」などが多いスピリッツ規格と、果汁系スタンダードのリキュール規格があるが、スピリッツ規格が14%増程度、リキュール規格は7%増程度だったとみられる。どちらも「高アルコール(ストロング)」系が手頃な価格で飲み応えがあり、しっかり酔えるため、人気を集めている。サントリー「-196℃ストロングゼロ」19%増、宝「焼酎ハイボール」13%増がその代表選手だ。
総市場は、特に大きなヒット新商品があったというわけではないが、サントリースピリッツ14%増、キリンの7・5%増の「2強」が市場を牽引した。サントリーは「-196℃ストロングゼロ」が14年の12月から順次、アルコール度数を8%から9%に引き上げたことや、味わいのクオリティアップなどで19%増と顕著な伸びを示したほか、「ハイボール計」が20%伸びた。
キリンは「氷結」が1・2%増だが、「本搾り」38%増、「ビターズ」33%増と、第2、第3の柱が大きく育った。
宝酒造も「焼酎ハイボール」の13%の大幅プラスに、6月発売の「ゼロ仕立て」がオンすることで、6%のプラスで着地した。
アサヒビールは2・7%増と伸び率は苦戦したが、すでに16年1月に「辛口焼酎ハイボール」の基幹4フレーバーを8%から9%に高めてリニューアルし、巻き返しを図るほか、4月には「レモン」「グレフル」などの“ど真ん中”の大型新商品が発売される見込みだ。RTDは、酒類全体で数少ない成長カテゴリーであり、16年も各社から積極的な提案が続きそうだ。
なお、業務用でも家庭用でもウイスキーハイボールが好調を持続しており、2割増で推移したとみられる。家庭用ハイボール缶は約1000万c/sとみられる。業務用を含めれば2400万c/s規模になるとみられる。