新ブランド「百黙」の発表会を開催、料理と“ダブル主演”のお酒-菊正宗

(大阪発)菊正宗酒造は10日、神戸市東灘区の蘇州園THE GARDEN PLACE SOSHUENで新ブランド発表会を開催し、地元兵庫県の酒販店などから約80人が来場した。新ブランドの「百黙」は、まず1年ほど兵庫県内の酒販店のみの限定発売となる。登録酒販店から注文を受けると3営業日後に同社が宅配便で直接届ける形で販売。兵庫県三木市吉川特A地区で契約栽培された山田錦100%を使用した精米歩合39%の純米大吟醸となるが、純米酒や本醸造などの展開の可能性もあるという。11日以降に、同ブランド単独のホームページも立ち上げる予定だ。
新ブランド「百黙」の発表と詳細な説明は、嘉納逸人副社長によって行われた。嘉納副社長は、「新ブランド発表の背景には、食の多様化がある。近年、欧州ではヌーベルキュイジーヌと日本酒を組み合わせて提案するお店が見られる。日本においては、かつてはタブーとされていた寿司や生魚と白ワインの組み合わせも楽しまれている。そこには従来のマリアージュのセオリーは存在せず、食の楽しみ方は次のステージに移っている。当社は長年、料理に合うお酒、料理を引き立てるお酒を目指して“菊正宗”を醸してきたが、今度は食の多様化と向き合い、“菊正宗”とは相対する新たなマリアージュの提案を目指して“百黙”を立ち上げた。映画で例えるならば、“菊正宗”は主役の料理を引き立てる名脇役と言え、“百黙”は主役の料理とともに主役を演じる、いわばダブル主演を演出する。お酒として個性を持ち、料理とともに高め合い、新たなマリアージュの世界を提案していく。当社は“菊正宗”と“百黙”の2つの世界を探求することを決断した」と説明した。