2月の酒類支出は4.3%増、ビール前年減の裏も5.0%増-家計調査
ウイスキーだけが前年増加の裏で9.2%減、他は全般に増加へ
総務省統計局がまとめた家計調査によれば、2月の1世帯当たり(2人以上の世帯・農林漁家世帯含む)酒類消費支出額は4.3%増で2カ月連続の増加となった。1月(2.8%増)は前年1月が4.2%減の裏だったこともあるが、2月は前年2月が0.2%増の裏で増加を果たした。カテゴリー別にみると、前年2月に増加だったウイスキー(9.2%減)を除いてはいずれもプラスで、前年がマイナスだったとはいえ、総じて数量が出ている傾向で、悪い兆しではない。ただ、閏年で1日営業日が多いことや、全般に消費は芳しくないとの観測もいずれ根強いことから、このあたりが家計調査の限界ともとれる。
品目ごとみると、ビールは数量(2.8%増)、価格(2.7%高)とも増え、金額は5.0%増。ただ、既報したように、「一般的に(営業日が)1日多ければ3ポイントほど増えるため、(ビール4社の販売数量は)0.1%増にとどまったことから、実質はマイナスとみられる」との指摘を踏まえると、数量の伸びは物足りない。価格が上振れして金額増加は良しというところか。
和酒は実需の感覚と大きくずれるかもしれない。清酒は昨年10月以来の増加も、価格(15.2%安)は大幅に下がり、数量(27.8%増)を大幅に伸ばしている。前年2月は価格(16.4%高)、数量(14.3%減)が逆の動きであり、乱暴にいってしまえば、特定名称に浮気していた層がレギュラー酒に戻ったともとれるし、レギュラー酒含め、全般に価格が下振れしているともとれる。調査対象者の普段からの嗜好がわからないだけにみえないところだ。
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