2月の九州本格焼酎出荷は前年2月9.6%減の裏で3.8%増、1~2月は減
九州本格焼酎協議会がまとめた2月の九州7県における本格焼酎出荷数量(課税移出数量)は、合計で前年比3.8%増の3万2,473klとなった。昨年11月以来の増加。ただ、前年2月(9.6%減)は増税前特需の裏で落ち込んでいたことの影響もある。1~2月では全体で2.2%減(前年1~2月は8.4%減)と苦しいスタートとなっている。
内訳をみると、宮崎(前年2月19.2%減→今年2月9.9%増)、福岡(12.2%減→12.1%増)、熊本(12.7%減→8.5%増)は増加としたものの、鹿児島(1.1%減→1.3%減)、大分(3.6%減→2.1%減)はジリ下げのまま。
1~2月でプラスとなっているのは、福岡(8.3%減→4.8%増)くらいで、宮崎(3.2%減→4.7%減)、熊本(19.5%減→0.5%減)もマイナス、鹿児島(13.4%減→0.8%減)、大分(7.5%減→3.4%減)は苦戦が続いている。
今週は和酒卸の試飲会ウィークだったが、清酒ブースの賑わいに比べ、焼酎ブースは人もまばらで寂しい限りだった。ここ数年同じ傾向とはいえ、清酒の盛り上がりが年々増している気がするだけに両者の差が顕著に感じた。
焼酎の各ブースをみると、希少原料、熟成酒を前面に出すPRで、生産量が少なく、首都圏にあまり出ていない蔵は卸と連動することで取引を増やしたという声は聞かれた。ただ、レギュラー酒が全体に動いていない大手は厳しいところか。麦、芋など他原料を揃え、「そばソーダ」が話題の雲海酒造が目立つが、多原料をそれなりのボリュームで揃えられる会社はなかなかない。
「清酒は苦労した期間が長かった。地酒がいま日の目をみているのも、それがあったから。焼酎は芋のブームからまだそれほど期間がない。苦労の時間があって、様々な話題が出てこないと、飲食店でも“芋ちょーだい”と選択肢の幅が広がらない」との指摘にもあるように、現状の商品開発の取組を強化し、飲み方提案、季節提案と消費者にわかりやすい提案を地道に続けることも、ますます大切になっているといえるのかもしれない。