猛暑以上に泡立つ? 料飲店「ハイボール進化系」続々
今年の夏は猛暑が確実視されているが、近年、ある程度の気温に達すれば、ビール類の需要が頭打ちになることもよく指摘されるので喜んでばかりもいられない。酒類メーカー大手からは生ビールに替わるものとして、業務用製品で、折からのハイボール人気を“進化”させる提案が相次いでいる。中でもハイボール、サワー、カクテル類で「炭酸強め」「キンキンに冷やす」提案が多いことが特徴だ。
サントリーはその名も「ド炭酸酎ハイ」を提案。炭酸が強い理由は、アルコール度数44%のサワーベース「PROMIX」を使用する。これにより、通常サワーよりもソーダを多く入れられるため、炭酸が薄まらず強烈なままになる。一般的にサワーのうち、ベースのお酒と炭酸は1:3くらいだが、1:5の割合にできる。原価もより低減できる魅力もある。同社はその他、「ほろよい」のカクテルコンク(アルコール15%)、ビーフィーターを使用した「肉専用サワー ジントニ」なども展開する。
アサヒビールは、-2~0℃の「ブラックニッカ フリージングハイボール」に引き続き注力する。氷点下にすることで、炭酸の印象もきめ細やかで鮮烈になり、爽快感が際立つ。ステンレスの専用タンブラーは冷たさを長く持続し、その上、氷ありと氷なしで大きさの異なる2種類を用意しているのもこだわりだ。料飲店には、「氷なしでの提供時にはタンブラーを氷水で必ず事前冷却する」などのハードルを設けている。
キリンビールの、りんごからつくった「ハードシードル」は、このたびボトル形状もよりシードルらしくし、味わいもより若者向けに、果汁感の強いものにリニューアルする。
サッポロビールは、世界№1ラム「バカルディラム」を使用した新しいハイボール「カリビアンハイボール ラムハイ」を提案。すでに5,000店舗に導入実績がある。「バカルディ」にソーダと搾ったカットレモンを加え、すっきりした味わい。
宝焼酎は、「宝焼酎 レジェンド〈プレミアム〉」を使用した「レジェンドプレミアムハイボール」を提案。「ウイスキーハイボールは食事に合わない、という意見を持つユーザーもいる」とみて、甲類焼酎でありながら、樽熟成酒30%使用の香りと芳醇な味わいを訴求する。
「ポストビール」のポジションで、若者の心を捉える新提案はこれからも続きそうだ。