アサヒビールとキリンビール、物流分野で協業拡大へ

アサヒビールとキリンビールは、環境負荷の低減とトラック不足などの社会的課題の解決を目的に、石川県金沢市に共同配送センターを開設、関西エリアの工場からの鉄道コンテナによる共同輸送を開始する。対象品目はビール類、ノンアルコールビールテイスト飲料、RTD、清涼飲料水。

新たに開設する配送センターの名称は「アサヒビール金沢配送センター/キリン金沢物流センター(仮称)」、 住所は石川県金沢市専光寺町イ54 日通専光寺物流センター内、面積は敷地が5,000坪、建物が1,200坪(倉庫3棟のうち1棟)。

日本通運が運営し、両社の製品を管理する。配送は両社の物流子会社が行う。配送センターまでは、アサヒビール吹田工場およびキリンビール神戸工場で製造した商品を、日本貨物鉄道(JR貨物)が関西~北陸間の往復輸送量の差により発生する空コンテナを有効活用し、鉄道で輸送する。

2017年1月から石川県における配送を開始し、2017年秋からは富山県へとエリアを拡大する。

両社は愛知県・滋賀県にある工場から届け先まで、200~300㎞のトラック配送を行ってきたが、ドライバー不足などにより、現行のトラック配送に替わる新たな物流体制の構築が共通課題となっていた。また、地球規模で問題となっているCO2をはじめとする温暖化ガスの削減は、各企業が最優先で取り組むべき課題とされていることも考慮した。

今回の協業を通じて、年間1万台相当の長距離トラック輸送を鉄道コンテナにモーダルシフトし、年間約2,700tのCO2削減を実現する見込み。

両社は2011年8月から、首都圏における小口配送および茨城・埼玉・長野・静岡の4県の一部地域における空容器の回収を共同で行っている。今回、日本通運とJR貨物の協力のもと、新たな物流モデルを確立し、社会的課題の解決に積極的に取り組む。

今後も非競争分野において両社が協業することにより、さらなる環境負荷の低減と持続可能な社会の実現に貢献するとしている。