上半期の市場を振り返る⑦(終)-RTD 総市場は9.7%増、数量でスピリッツ規格とリキュール規格が拮抗
日本洋酒酒造組合と、発泡酒の税制を考える会の数字をもとに、本紙が算出した1~6月の国産低アルコール飲料(RTD、業務用含む、洋酒組合非加盟メーカーは含まず)は、前年比109.7%の45万1,400klとなった。250ml×24本換算で、7,523万箱になる。ウイスキー規格の「サントリー角ハイボール〈濃いめ〉」などを入れると、もう少し上の数字になる。
サントリーは市場を前年比112%の7,650万箱、アサヒビールも113%と推定しており、業界の思惑を超えて膨らんでおり、もはや酒類市場の成長ドライバーとなっている。
品目別では、スピリッツ規格は114.3%の22万3,105klと2ケタ増。リキュール規格は106.0%の22万6,772klと、数量でほぼ拮抗するまでになった。スピリッツ規格とは、酒税法で定められたエキス分(2%、主に糖分)を下回るもので、カロリーオフ、糖類ゼロ(辛口)、アルコール高めの「ストロング」などがこれに当たる。
RTD市場は、上位4社(サントリー、キリン、
アサヒ、宝酒造)で9割強を占めるが、4社ともプラス、うち3社が2ケタ増となった。うちサントリーは114%の2,983万箱を出荷した。アサヒビールは139%の653万箱を出荷した(ウイスキー規格のハイボール除く)。
サントリーは2016年間の販売計画を当初比180万箱増の6,465万箱に上方修正した(前年比112%)。主力の「-196℃ストロングゼロ」は、1~6月が116%の1,430万箱で、年間でも115%の3,150万箱に上方修正した。
商品面でのエポックメイキングは、アサヒビールが4月に発売した「もぎたて」だ。4~6月の販売数量は計画比1.6倍で推移し、6月末までに250万箱を販売。来年3月までの初年度目標500万箱を、750万箱に上方修正している。
市場の上位ブランドは軒並み2ケタ増で、「キリン氷結シリーズ」「サントリー-196℃」は1割強の増、続くサントリー「ほろよい」、「タカラ焼酎ハイボール」は2割強の増とみられる。