主要食品メーカー20社の12月期中間 17 増収、減収は3社

ビールメーカー4社を含む主要食品メーカー20社の16年12月期第2四半期(中間)決算(一部11月期)が出揃った。連結売上では前年を上回る17社が増収、減収は3社となった。営業利益は赤字の1社を除き全社が増益(黒字転換含む)となった。なお、売上高の伸びは全社平均で1%程度であり、各社の体質改善の進展や原料安が影響したとみられる。

ビール4社(HD=ホールディングス)の第2四半期決算は、サントリーHD、アサヒグループHDは増収増益、サッポロHDは増収で利益は黒字転換と好調だったのに対し、キリンHDはビール類の販売減などで減収したが、体質改善等で増益を確保した。

サントリーHDは国内売上高が8252億円で11・4%増と好調だったが、海外売上は現地通貨ベースで微減、為替の影響で邦貨では9・6%減の4479億円となった。ビール類は市場が微減の中、3314万?と過去最高となり、シェアは16%に達した。

キリンHDは日本綜合飲料事業が2・7%減収に加え、オセアニアなど海外事業が為替の影響などで減収、連結でも5・8%減収した。日本綜合飲料事業は「47都道府県一番搾り」が好調だったが、ビール類全体では減収となり、キリンビバレッジが販促費を売上高から控除する会計に変更したことなどで減収した。ただし営業利益はコスト削減と収益制改善で増益。

アサヒグループHDは酒類、飲料、食品の国内事業はいずれも増収増益となったが、国際部門が為替の影響で減収したため、連結売上は0・8%の微増となった。酒類事業はビール類の販売数量が増加、RTDやビアテイスト飲料などが好調で2・6%増の4460億円。飲料事業は炭酸やコーヒーが増収し、売上高は1・9%増の2296億円。食品事業はアサヒグループ食品に集約、主力ブランドが好調で7・1%増加。

サッポロHDは前年の営業赤字から脱却、30億円の営業利益となった。国内酒類事業は「黒ラベル」「ヱビス」の缶製品が好調でビール類の売上は1%増。食品・飲料事業も2%増。不動産事業は首都圏オフィス賃貸市場が活況で増収増益。

なおオエノンHDを含めた酒類5社の総売上げは3兆4323億円で前年同期比0・5%減。通期売上見込みの総計も7兆3168億円で0・5%減。

飲料関係のコカ・コーライーストジャパンは炭酸やお茶などが好調で増収、コカ・コーラウエストも四国コカ・コーラボトリングの連結追加などで増収した。

山崎製パンは増収増益。「厳撰100品」を中心い主力製品の拡販につとめ、生産の効率化、物流費の削減を実施したことから、売上の2・4%増に対し、営業利益は5割増となった。洋菓子微減だった以外、食パン、菓子パン、和菓子、調理パン・米飯、製菓・米菓の食品部門はいずれも増収となり、食品事業売上は2・8%増の4859億円。

キユーピーは今期から販促費の一部を売上高から控除する新会計方法を採用したため、連結売上は1・6%増にとどまったが実質的には過去最高となった。国内の食品事業が堅調に推移する一方、海外事業が10%程度増収した。