最終コーナーに向けて ビール4社の営業責任者に聞く②
「47都道府県の一番搾り」の取組みで地元の支持獲得
キリンビールマーケティング・石田明文常務執行役員営業部長
–ビール類総市場は微減が続いています。
結局、総市場が最盛期の4分の3になってしまった。この水準は30年前の市場規模に後戻りしたことになる。我々ビールメーカーも反省しなきゃいけない。お客様にとって、ビール類があまりに画一的になってしまった。もっと魅力ある提案ができれば、もっと違っていただろう。先般、発表したNYのブルックリン・ブルワリー社との提携もその一環であり、当社は業界の先鞭を付ける形でいろいろとチャレンジしていく考えだ。
–1~9月を振り返っていかがですか。
ビール類総市場は、対前年98%程度で推移しているとみているが、当社は若干それを下回っている。第1クォーターは、昨年の「のどごしオールライト」の発売の裏返しが大きく、全体で約7%減と想定以上の苦戦を強いられた。しかし7~9月は東日本以北の天候要因などもあり決して及第点ではないが、前年並みの出荷に戻した。1~9月では、4%減程までに戻している。第1クォーターのビハインドを引きずる形となった要因として、他社に比べ、新商品やキャンペーンなどの施策がやや不足していたと反省している。
一方で、全社的にフォーカスしていたのは、夏場から順次発売してきた「47都道府県の一番搾り」だった。発売に向けて、量販店・料飲店との交渉、地元の共創メンバーと一緒になった商品開発の準備などに組織の力を集中した。しかし、それだけでなく、新ジャンル・発泡酒の販売促進でも、お客様を理解し、もっと近づき商品の魅力を伝えるチャンスに気づきを実感できたようでとてもよかった。
(続きは本紙で)